【不動産投資本】元銀行員大家が教える!不動産投資融資攻略バイブル

昨今、老後資金問題や副業ブームも手伝って、ますますプレーヤーが増加している不動産投資。

ひと口に不動産投資といってもその手法や流派は様々で、おのおのが自身の属性や目標に応じて、自分に合ったものを見出していることだろう。

だが、どの分野を選択するとしても、十分な資産や高い属性を持ち合わせていない「普通の人」が不動産投資のスタートを切り、規模を拡大していくためには、銀行融資の攻略は必須とも言える。

とはいえ、それは決して簡単なことではない。良さげな物件を見つけたけど、融資のハードルに阻まれて悔しい思いをしているという方も多いのではないだろうか。

今回は、そんな方におすすめの書籍『銀行員だった大家が教える!不動産投資融資攻略バイブル』を紹介する。

B0B49PC3ZS.01._SCLZZZZZZZ_SX500_

著者の半沢大家氏は、金融系の会社で資産運用アドバイザーとして勤める兼業投資家。また、健美家ニュースライターとして、融資関連記事の執筆も担当している。

不動産投資家と銀行員の2足のわらじ
独自の融資戦略を構築して規模拡大

半沢氏は、銀行員時代の2017年に不動産投資を志し、スルガショックという融資情勢の大きな転換点を駆け出しの不動産投資家と、融資業務担当者という両面から経験してきた経歴の持ち主だ。

そのため銀行融資について非常に造詣が深く、独自に構築した融資攻略理論をもとに現在は6棟59室を所有し、家賃年収は4,000万円を達成。所有物件の多くは新築アパートで、現在も新たな新築物件を計画中である。

「不動産投資家と銀行の溝を埋める」という目的のもとに執筆された本書。双方の思考には大きな隔たりがあり、融資を思うように受けられない要因がそこにあるという。

どちらが正しいということではなく、投資家側から銀行独自の思考や融資の仕組みを学び、正しい努力を行うことで、銀行から事業者として認められる。そうして「プロパー融資」の扉を開き、融資を継続的に引けるサイクルをつくることで不動産投資を成功へ導こう、と半沢氏は言う。

元銀行員が融資攻略について徹底解説
初級者から上級者まで活かせる理論やテクニックが満載

本書は「融資攻略バイブル」の名の通り、銀行融資に徹頭徹尾特化した内容となっている。銀行員として勤務し、融資審査に携わってきた著者の経験があまねく開示されており、たとえば以下のようなことについて章立てて解説されている。

・「銀行組織」を知る
銀行とはどういう組織なのか/営利企業たるメガバンク・地方銀行等と非営利企業たる信用金庫・日本政策金融公庫等の組織形態による違い/銀行員の思考回路・立ち振る舞い/銀行ノルマの実態など

・「審査」を知る
融資申込~審査の工程/融資審査の3原則/審査時の銀行支店と審査部のせめぎ合い/勝敗を最後に分けるのは数字に表れない定性評価/ドミナント戦略の効用など

・「融資先管理」を知る
良い決算書とはどんな決算書なのか/自己資本比率と債務超過/取引先格付の実態/役員借入金はどのように扱われるか/決算説明のススメなど

そのほか、後半の章では著者自身や仲間の大家さんの物件購入記が収録されている。単なる物件紹介にとどまらず、融資戦略に着目した体験談となっているのが本書ならでは。いかにプロパー融資を獲得し、継続取引のサイクルを構築していくかのヒントを得ることができるだろう。

本書を通じて分かるのは、銀行にとって100点満点の案件は存在せず、行内の様々な部署の人間が様々な観点から判断し、折り合いをつけながら最終的な融資可否の判断を下しているということだ。だからこそ数字の判断に作文、ストーリーや人柄による判断が勝る場合があり、そこに持たざる者にとっての勝機があるのだろう。

不動産投資とは切っても切り離せない銀行融資。だからこそ1棟目の融資の壁に阻まれている初心者はもちろん、保証会社付融資やアパートローンからプロパー融資の獲得に移行していきたい初級・中級者や、さらに規模拡大を目指したい上級者まで、それぞれのステージに応じた学びのある一冊となるはずだ。

ーーーーーーーーーーーー

健美家編集部(協力:Tamaarai(たまあらい))

Tamaarai

■ 主な経歴

地方都市でサラリーマン業、ライター業、大家業の3足のわらじで活動する30代。 趣味は物件と料理のDIY。 特技は人の顔と名前を覚えること。