J-REITの分配金でFIRE生活★4月決算は星野リゾート・リートとスターツプロシードに注目!New

今年初めは欧米の金利上昇の影響を受け、東証REIT指数はガクンと下がっていた。ところが、先月3月末からJ-REITへ資金流入が続き、投資口価格が上がっている。

「4月新年度からは上昇する」と考えた海外投資家が、先んじて買っているとも言われている。また、先進国のREIT指数に比べると割安感もあり、日本国内でも経済活動が再開する期待もあるようだ。

さて、4月決算のJ-REITをいま買うと、3ヶ月後の7月に配当金や分配金がもらえる。3月決算の注目2銘柄をご紹介する。

株式投資で配当金生活を楽しむように、J-REIT(ジェイリート)でも分配金(株式投資の「配当金」と同義)を毎月もらおうというシリーズ。

分配金を毎月もらって、経済的自立と早期リタイア、FIRE生活への1歩にしよう!

星野リゾート・リート投資法人のホームページから。
星野リゾート・リート投資法人のホームページから。

4月決算の注目銘柄は
星野リゾート・リートとスターツプロシード

J-REIT の4月決算期は8銘柄ある。

4月決算のJ-REIT
4月決算のJ-REIT

※証券コード、銘柄名、投資口価格、予想分配金利回り。「投資口価格」とは、J-REITの場合の「株価」に相当する。投資口価格と予想分配金利回りは2022年4月5日終値現在。

J-REIT(ジェイリート)とは証券市場に上場している金融商品「不動産投資信託」のこと。J-REITを購入すると、株を買うぐらいの小口資金で大規模大家さんの仲間になれる。

J-REITの分配金利回りは3~6%と、株式投資よりも高配当なものが多い(一部のホテル特化型リートは除く)。

そして、4月決算の注目銘柄は星野リゾート・リート投資法人とスターツプロシード投資法人だ。

4月注目銘柄

星野リゾートはコロナ禍にマイクロツーリズムを提唱!
観光業界を牽引する同社は、運営と物件保有を分ける戦略

星野リゾート・リート投資法人はホテル特化型リート。メディア出演も多く、日本の観光業界をリードする星野 佳路氏率いる株式会社星野リゾートがスポンサーだ。

同社は、今年2022年に開業108年目を迎える。その歴史を振り返ると、星野家の経営手腕は最初からユニークだったようだ。

初代経営者の星野国次は、別荘地として人気が出できた軽井沢で、先を見て温泉の掘削を始めた。何年間も失敗続きだったが、ついに掘り当て、1914年に星野温泉旅館を開業。

しかし、当時の軽井沢には電気が引かれてなかったため、自社で水力発電を始める。

電気が引かれていなかった軽井沢で、温泉を掘って旅館を開業しようと考えた時点で凄いと思うが、水力発電まで自社で行うバイタリティーと先見性が星野家のDNAなのかもしれない。

1992年、旅館業界に競合他社が増えるなか、株式会社星野温泉(現・星野リゾート)は経営方針を変更。施設を保有せず、運営会社を目指すと発表した。企業ビジョンは「リゾート運営の達人」。

そして2013年、星野リゾート・リート投資法人が上場した。観光に特化したJ-REITは、日本初だ。

星野リゾートは、ホテル事業の3つの機能「開発」「所有」「運営」を分散させる事が成功の要因だと考えた。

そこで、星野リゾート・リート投資法人が物件を所有し、(株)星野リゾートが運営し、日本政策投資銀行(DBJ)との共同ファンドで開発を行っている。

同リートの上場時は6物件、資産規模150億円ほどだった。しかし、規模を拡大するために公募増資を行い、外部からも物件を取得し続けた。

現在は65物件、1,768億円と、上場時に比べて10倍以上に成長した。

2021年12月15日時点の同リートのポートフォリオのうち、「賃借人」の8割強が(株)星野リゾート。スポンサーでもある同社は、コロナ禍でも賃料減免や支払猶予はしなかったようだ。

ところが、賃借人の8割強が(株)星野リゾートであっても、施設のオペレーター(運営)としては、(株)星野リゾートは4割弱を占めるだけ。6割強が外部オペレーターだ。

2021年10月期決算説明会資料より
2021年10月期決算説明会資料より

観光業はコロナ禍で苦しんでいたが、星野 佳路氏が「マイクロツーリズム」を提唱。「自宅から1~2時間で行ける範囲で、地元を再発見する旅」への取り組みが功を奏した。

2021年10月期では、星野リゾートの主要ブランドのうち、高級温泉旅館ブランドの「界」が特に好調だった。

近くの温泉でゆっくりしたいという需要を取り込み、同一地域内に住む層の宿泊率が上がり、販売客室数が上がった。

このため、同リートの星野リゾート運営物件における販売可能な客室1室当たりの収益(RevPAR)は、2021年10月期には前年と比べて+7.9%となり、コロナ前の2019年と比べても同程度の水準となった。

2021年10月期決算説明会資料より
2021年10月期決算説明会資料より

しかし、星野リゾート以外の運営物件では、ロードサイド型ホテルは車で移動するビジネス客利用が一定数あったものの、ハイアットリージェンシー大阪やザ・ビー等の都市型ホテルは苦戦。

そのこともあり、同リートは、星野リゾートが運営する物件をポートフォリオの50%強にする方針だ。2021年1月に開業した「界 霧島」「界 別府」は、同年11月に同リートが取得した。

2025年の大阪万博の年には、インバウンド市場が100%回復すると予想し、同リートは毎年200~300億円程度の外部成長を続けて、中期的には資産規模3,000億円を目指している。

2021年10月期決算説明会資料より
2021年10月期決算説明会資料より

分配金は、コロナの影響を受ける前(2020年4月期)までは順調に上がっていたが、影響を受けだしてからは下がり、2021年4月期にはほぼ半分となった。

分配金利回りは、コロナ前は4%台が続いていたが、現在は2%台。

J-REITの利回りとしてはかなり低い方だが、直近5年間の投資口価格(リートの株価)を見てみると・・・。

コロナ前の投資口価格(リートの株価)はずっと50万円台だったのが、コロナ禍になってから一旦20万円台に急落した後、75万円近くまで上がり、現在も70万円前後とコロナ前より高い。

J-REIT投資は「分配金目当て」が王道だと思うが、市場からの期待の高い星野リゾート・リートの場合は、今後の成長やキャピタルゲインを狙う方法もありそうだ。

ちなみに、上記の図にあるように、星野リゾート・リートのLTV(有利子負債比率、有利子負債÷総資産で計算される)は30%台。J-REITのなかでは低い方だ。

LTVが低いと安全性は高いと言えるが、同リートはLTVの上限を40%まで引き上げ、物件のさらなる取得を目指す。

また、ホテル特化型リートでは初めてのグリーンボンド(10年債)を発行し、借入れもホテル系リートでは最長の5.5年でリファイナンスでき、財務も安定しているようだ。

星野リゾート・リート投資法人
予想分配金:2022年4月期(第18期)7,153円、2022年10月期(第19期)7,542円
保有物件数:65
取得価格合計:1,768億円(2021年12月15日現在)。

住居特化型リートのスターツプロシード
コロナ禍でも運営リスクが少なく、安定性が高い

スターツプロシード投資法人は住居特化型リートだ。2005年に上場しており、J-REITでは古株と言える。

スポンサーはスターツグループ。建設不動産管理事業、分譲事業、注文住宅事業、出版事業、証券事業、ホテル事業などを経営する企業グループだ。

不動産賃貸・売買仲介をする不動産ショップ「ピタットハウス」も同グループだ。

同グループには高齢者介護事業を行うスターツケアサービス株式会社もある。しかし、同リートに保有されている高齢者向け施設は、グループホーム1物件だけしかない。全体のポートフォリオのうち、0.6%を占めるのみだ。

他のリートと比較してみよう。例えば、元は住居特化型リートだったものの、同じスポンサーのヘルスケア施設特化型と合併したリートなどは、ヘルスケア施設(有料老人ホームなど高齢者向け施設)の割合が30%近くを占める。

ヘルスケア施設は、運営者に1棟丸ごと貸すことがほとんどだ。介護保険制度に関連して運用されているため、安定しているとも言えるが、反対に賃料の大幅増は見込みにくい。

また、運営者によっては経営がうまく行かず、賃料の減額要請や競争激化で撤退する場合もあり得る。つまり、ヘルスケア施設はリスクも孕んでいるのだ。

その点、スターツプロシードのポートフォリオは賃貸住宅が97.3%、マンスリーマンション2.1%、高齢者向け施設0.6%だ。高齢者向け施設が非常に少ないため、純粋の住居特化型リートであり、安定性が高い。

同リートのホームページより。
同リートのホームページより。

同リートは、安定した需要が見込まれる「年収700万円未満の平均的な所得層」を対象にした賃貸住宅がメインだ。そのため、稼働率も第3期以降は稼働率95%以上が続いている。

第32期(2021年10月期)決算説明会資料より。
第32期(2021年10月期)決算説明会資料より。

同リートの場合、スポンサーが開発した賃貸物件の取得が大半なので、資産規模の拡大はゆっくりではある。

そのため、物件入替を積極的に行うことでポートフォリオの質的向上や自己投資口の取得、更にスポンサー開発物件を取得して、中期的には1,000億円台への早期達成を目指している。

また、NAV倍率(株式のPBRと同義)も1倍は超えているとはいえ、住居特化型リートの中では低めなので、投資口の評価を高める努力を続けていくようだ。

「じっくり、揺るがず、末永く」。同リートのサイトに明記されているように、コロナ禍では、住居物件の安定性は魅力だろう。

第32期(2021年10月期)決算説明会資料より。
第32期(2021年10月期)決算説明会資料より。

スターツプロシード投資法人
予想分配金:第33期(2022年4月期)4,520 円、第34期(2022年10月期)4,520 円
保有物件数:107
取得価格合計:889 億円(2022年2月末日現在)。

さて、4月決算銘柄を買って分配金をもらうには、権利付き最終売買日である4月26日15時までに購入しておく必要がある。

最後に、投資は自己責任でお願いしたい。