J-REITで分配金生活★ 2021年3月決算の注目銘柄はコレ!New

株式投資で配当金生活を楽しむように、J-REITでも分配金(株式投資の「配当金」と同義)を毎月もらおうというシリーズ。今から買っても間に合う3月決算のJ-REIT注目銘柄をご紹介する。

J-REIT(ジェイリート)とは、証券市場に上場している金融商品「不動産投資信託」のこと。J-REITを購入すると、株を買うぐらいの小口資金で、大規模大家さんの仲間になれる感じだ。

分配金利回りは3~6%と、株式投資よりも高配当なものが多い。詳細については過去記事を参考にしてほしい。

3月決算のJ-REITは5銘柄!
注目はケネディクス商業、森トラスト総合、グローバル・ワン

3月決算期の銘柄は5銘柄だ。

8952 ジャパンリアルエステイト投資法人 664,000 円 3.28%
8958 グローバル・ワン不動産投資法人 117,000円 4.10%
8961 森トラスト総合リート投資法人 152,300 4.48%
8986 大和証券リビング投資法人 102,900円 4.20%
3453 ケネディクス商業リート投資法人 265,700円 5.05%

その中で、注目銘柄はケネディクス商業と森トラスト総合、グローバル・ワンの3銘柄だ。

※証券コード、銘柄名、投資口価格、予想分配金利回り。
「投資口価格」とは、J-REITの場合の「株価」に相当する。
投資口価格と予想分配金利回りは2021年3月2日終値現在。

ケネディクス商業のスポンサーは三井住友F&LからのTOB成立
同リートは「生活密着型商業施設に重点投資」

ケネディクス商業リート投資法人は、商業施設特化型リートだ。スポンサーは不動産ファンドの運用を主な事業とするケネディクス株式会社。

同社は今年1月に三井住友ファイナンス&リース株式会社に株式公開買付け(TOB)されて、傘下に入った。

ケネディクス商業リートの特長は、商業施設の中でも「生活密着型商業施設への重点投資」している点だ。

コロナ禍でも、生活必需品を扱う近所の食品スーパーやドラッグストアなどの生活密着型商業施設は盛況だ。

同リートは「生活密着型商業施設」を、「日常生活に必要な商品・サービスを提供し、住宅地又はロードサイド等、日常生活圏に立地」が特徴だとしている。

1. 商圏は周囲1~10km程度(一般的には3~5km程度)で、利用客は商業施設周辺の消費者が中心。

2. 地域のニーズを捉えた運営が可能であり、来店頻度が高く、平日・休日による差異が小さい。

3. 消費者の多様化した嗜好に対応した食品・衣料品・日用品等、商品種別ごとの専門店テナントが入居。

ケネディクス商業リート投資法人のHPより。左端のNSCが「ネイバーフッドショッピングセンター(食品スーパーなどを中心とした各種専門店)」。
ケネディクス商業リート投資法人のHPより。左端のNSCが「ネイバーフッドショッピングセンター(食品スーパーなどを中心とした各種専門店)」。

同リートが上場した当時は総合スーパー(GMS)も主力の物件として保有していたが、商業施設の置かれている潮流を分析した結果、「生活密着型商業施設」へシフトしている。

その中でも、特に商圏が3~5kmの「ネイバーフッドショッピングセンター(食品スーパーなどを中心とした各種専門店)」に力を入れているようだ。

また、生活密着型商業施設そのものが、政府や地方自治体が推進している「コンパクトシティ」の理念に合致していると同リートは考えている。

加えて、商業施設と物流施設の垣根が低くなっており、「消費者の配送先」と近い距離にある生活密着型商業施設と物流施設の需要が伸びていくと予想。

「消費地配送型物流施設」などをポートフォリオの2割弱に増加させる方針を打ち出して、迅速な物件取得を進めている。

「ケネディクス商業リート投資法人第11期(2020年9月期)決算説明資料」より
「ケネディクス商業リート投資法人第11期(2020年9月期)決算説明資料」より

先手を打った形の同リートの運営が、コロナ禍でも効果を発揮し、分配金の減少を最小限に抑えていると感じる。

なお、ケネディクス株式会社は他にも2つのリートを保有している。
ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人の記事はこちら
ケネディクス・オフィス投資法人こちら

ところで、株式公開買付け(TOB)とは、証券取引所を通じた買付けではなく、「買付期間」「買付価格」「買付予定株数」などを公開買付者が公表し、不特定多数の株主から直に株式買付を行うことだ。

もし買付注文を証券取引所を通じて大量に出した場合、株価が上昇する可能性がある。

しかし、TOBだと公開買付者が算定した価格で大量の株式を短期間に取得することができるため、企業買収や自社株取得などで使われる。

ケネディクス商業リート投資法人

第12期(2021年3月期)予想分配金は6,785 円/口、第13期(2021年9月期)6,635 円/口と発表している。

2021年3月2日終値現在の投資口価格(J-REITの場合の「株価」に相当)は265,700円、予想分配金利回りは5.05%だ(売買手数料や源泉徴収税などは除く)。

保有物件数64、取得価格合計226,373百万円(2021年2月25日現在)。NAV倍率1.05。

※NAV倍率とは、株式のPBR(株価純資産倍率)に当たる。計算式は、投資口価格÷1口当たりのNAV(不動産の時価に基づく純資産価値Net Asset Value)。
PBRのように、NAV倍率が1倍より大きい場合は割高といえる。

森トラスト総合Rは東京汐留ビルディングを保有
ソフトバンクグループ等の退去後、新テナントは?

森トラスト総合リート投資法人は総合型リートに分類される。

しかし、ポートフォリオの比重を見るとオフィス用途が71%となっており、オフィス型に近い。

スポンサーは不動産会社の森トラスト株式会社だ。同社は元々、六本木ヒルズを開発した森ビル株式会社の兄弟会社だったが、会社の運営方針の違いから別の道を進み、今は資本関係も無いようだ。

森トラスト総合リート投資法人は、森トラスト(株)のパイプラインで取得した大型のオフィスビルが主力の運用物件だ。

東京汐留ビルディングなど大型物件ばかりなので、物件の数は他のリートに比べると15物件と少な目だ。

「ポートフォリオの分散状況」森トラスト総合リート投資法人のホームページより。
「ポートフォリオの分散状況」森トラスト総合リート投資法人のホームページより。

東京汐留ビルディングは取得価格が1,100億円と、全リートが保有する物件の中でもTOP5に入る大型物件だ。

ところが、同ビルのオフィス部分に本社を置いていたソフトバンクグループ株式会社とソフトバンク株式会社が、今年6月までに別の大型ビルへ移転することになっている。退去後、次の借り手がどうなるかはまだ決まっていないようだ。

予想分配金にはこの事は折り込み済みだが、スポンサーの森トラスト(株)のリーシング力が試される局面となっている。

森トラスト総合リート投資法人のホームページより。
森トラスト総合リート投資法人のホームページより。

第38期(2021年3月期)予想分配金は3,822 円/口、第39期(2021年9月期)3,000 円/口と発表している。

2021年3月2日終値現在の投資口価格(J-REITの場合の「株価」に相当)は152,300円、予想分配金利回りは4.48%だ(売買手数料や源泉徴収税などは除く)。

保有物件数15、取得価格合計324,096百万円(2020年1月31日現在)。NAV倍率1.06。

グローバル・ワンのスポンサーは金融系
駅近、築浅、大型のオフィスに特化

グローバル・ワン不動産投資法人(GOR)のスポンサーは、明治安田生命、近鉄グループホールディングス、三菱UFJファイナンシャル・グループなど複数に渡る。

特定のスポンサーに属さないようにすることで、利益相反を排除できる体制を構築しているらしい。

ちなみに、スポンサーに保険会社が入っているリートは珍しいと言えるだろう。

スポンサーについて。グローバル・ワン不動産投資法人のホームページより。
スポンサーについて。グローバル・ワン不動産投資法人のホームページより。

同リートは、東京を中心にした大型オフィス物件に投資するオフィス特化型リートだ。駅近、築浅、大型の「近・新・大」のオフィスビルに厳選投資するのを特徴としている。

グローバル・ワン不動産投資法人のホームページより。
グローバル・ワン不動産投資法人のホームページより。

コロナ禍では、テレワークの推進などでオフィスビルの空室率の上昇が懸念されているところだが、同リートの稼働率は2020年1年間の各月を見ても97%強と高く、優良なテナントをしっかり確保していると感じる。

資産規模は1,911億円と大きいが、物件数は11物件と少数だ。なぜなら、同リートの1物件の平均取得価格は173億円で、他のオフィス系リートの平均取得価格87億円の約2倍だからだ。

1物件当たりの平均総賃貸可能面積も、同リートは12,015㎡で、他オフィス系リートの平均8,626㎡の約1.4倍だ。ポリシーである「近・新・大」の「大型」物件に投資しているからだ。

オフィスビルは二極化が進んでおり、同リートが考える「勝ち組」のビルに投資することが方針だから。

コロナ禍などの不況であっても、退去が出れば、スペックなどが格下のビルからテナントを誘致できると強気の姿勢で望んでいる。

2003年に8番目に上場したJ-REITとして、長期の運用実績を持つオフィス特化型リートは、今後のオフィス市場の動向とともに注目だろう。

第35期(2021年3月期)予想分配金は2,400 円/口、第36期(2021年9月期)2,400 円/口と発表している。

2021年3月2日終値現在の投資口価格(J-REITの場合の「株価」に相当)は117,000円、予想分配金利回りは4.10 %だ(売買手数料や源泉徴収税などは除く)。

保有物件数11、取得価格合計191,194百万円(2020年9月30日現在)。NAV倍率0.87。

なお、3月決算銘柄を買って分配金をもらうには、権利付き最終売買日である3月29日(月)15時までに購入しておく必要がある。

J-REITについての詳細は過去記事を参考にしてほしい。
そして、投資判断は自己責任で。