4月から年金制度も順次改正。 受給額最大84%増も!これを上回る利回りを出せるか?投資家がチェックすべきポイントNew

6月から年金受給額が減少することが話題に上っているが、実はこの4月から10月にかけて、年金制度が順次改正される。

主な改正点は5点。なかでも注目は、年金をもらうタイミングを70歳から75歳にまで繰り下げできることである。

5年繰り下げることで月の年金受給額は42%増加、65歳から75歳に10年繰り下げる場合、84%も受給額は増額する。年金や投資の相談を多く受けているファイナンシャルプランナーの水野圭子氏に年金制度改正のポイントと健美家読者向けに、年金受給のアドバイスをもらった。

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年金手帳もこの春、廃止された。将来受け取ることのできる年金額は、ねんきんネットで、確認できる。

老後も働く人が増え、時代に合わせた改正に!
できるだけ受給を遅らせたほうがお得?

現役世代の賃金が減っていることなどから、年金受給額が減少し、世間をにぎわせているが、今年4月から10月にかけて、次の5つの点が改正されることも見逃せない。定年退職後も働く人が増えているなど、時代の流れに合った改正内容になっていると水野さんは分析する。

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株式会社K’sプランニング代表取締役,ファイナンシャルプランナー(CFP)1級FP技能士・住宅ローンアドバイザーの水野圭子氏

・改正点1:繰り下げの上限70歳→75歳に延長

原則65歳からもらう年金のタイミングを遅らせることを繰り下げ、早めることを繰り上げという。

繰上げ受給の請求をした時点に応じて年金が減額され、その減額率は一生変わらない。減額率は、繰り上げた月×0.5%で最大24%減額される。

一方、繰り下げる場合、65歳→70歳受給に5年繰り下げた場合、月の年金額は42%増額する。 65歳→75歳受給と、10年間繰り下げると84%も受給額が上がる。

・改正点2:60~64歳の間の在職老齢年金の減額ラインが緩和

今までは給料と年金受給額を合わせた月の合計額が28万円を超えると年金が減額された。その制度が撤廃され、上限が47万円になった。

・改正点3:アルバイトやパートでも厚生年金に入りやすくなる

改正前:従業員が501人以上の会社で、1年以上働く短期労働者が加入できる

2022年10月の改正以降には、従業員が101人以上の会社で2か月以上働く予定の短時間労働者が加入でき、2024年10月の改正以降には、従業員51人以上の会社で2か月以上働く予定の短時間労働者が加入できる。

・改正点4:65歳以上で厚生年金に加入することで、年々受給額が増える

これまでは厚生年金を65歳以降におさめていても、その金額が反映されるのが70歳からだった。
または退職して1ケ月経過後だったが、年々、受給額が増えるように改正された。

・改正5:iDeCoに加入できる年齢が65歳未満まで引き上げられる

iDeCoとは、厚生年金や国民年金に上乗せした私的年金のこと。今までは20~60歳までが対象だったが、65歳までが対象になった。

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5つの改正点のなかでも、投資家が注目すべき大きな点は1である。5年間繰り下げることで42%年金受給額がアップ、10年間で84%も受給額が増える点だ。

投資家の場合、早めに繰り上げ受給して投資に回した方がいいと考える人もいる。年金を繰り上げ受給するか、繰り下げ受給するべきか? この判断は、人によって、意見がわかれる部分である。

「年金受給のタイミングは、その人の資産、家族構成、収入、マインドによっても判断は変わってきますが、繰り下げ受給するだけで84%UPするとなると、10年で割って利回りは8.4%、これ以上の利回りを、60歳を過ぎて投資で出せるならいいのですが、それが難しければ繰り下げ受給することも検討すべきでしょう。

特に投資家で家賃収入や配当があって今すぐ現金が必要でないのならば、早めに受給する旨味がどこにあるのか? 繰り下げ受給したほうがいいと考えます」

年金の相談を受けるなかで、実際に早く受給する人の理由としては、収入が少ないことから、生活への不安や、現金がすぐに必要なケースが多いという。

改正点の2も見逃せない。

「これまで年金を含めた収入の合計28万円の上限は厳しかったため、仕事をセーブしている人も相談者の中には多かったですね。それが上限47万円に増額されたことで、ほとんど仕事をセーブする必要がなくなり、さらにその後の年金が増えるといったプラスの効果も生まれます」

60歳以降に投資をするならば、判断力が鈍ったり、物忘れが始まったりしても対応できるような「わかりやすい投資」「相続しやすい投資」も大事になってくる。不動産にしても、ニッチな物件や手間がかかるよう空室だらけの物件では、相続する側も困ってしまう。

「特に80~90代以降、年金はとても頼りになります。預貯金も大事ですが、預貯金は使えば減ってしまいます。年金は生きている限りコンスタントにもらえるので、減額されるよりも増額されたほうがいいはず。

健美家の読者で、現役世代であれば、今のうちに借入をしてレバレッジをきかせて不動産投資をしながら、同時に株式や証券にも投資をして資産を増やしていくのがいいでしょう。

家賃は変動が小さく、証券は変動が大きいので、それらを組み合わせて投資をして、年金受給を遅らせることをお勧めします」。

年金制度の改正点について理解するとともに、どのタイミングで受給をするのか、いつまで働くのか、そしてそれを見据えて、どんな投資をすべきか、よく見極めたいものである。

                                                株式会社寧広