関西でホテル戦争が勃発! 世界最高級ブランドなどが進出 コロナからの市場復活を確実視

大阪・心斎橋にオープンした「W Osaka」
大阪・心斎橋にオープンした「W Osaka


米最高級ホテル「W」が大阪に日本初の進出
安藤忠雄氏がデザイン、最上階スイートは1泊100万円から

関西で「ホテル戦争」が勃発した。

3月16日には、世界的な米国の最高級ブランドホテル「W」が大阪市に、仏高級食品による「フォション」が京都市に、それぞれ日本で初めて開業。

4月には、星野リゾートの「OMO」が京都市に関西で初めてオープンする。

国土交通省が3月23日発表した公示地価(1月1日時点)では、全国の商業地における下落率トップ10のうち、なんと8地点が大阪市中央区の繁華街「ミナミ」、1地点が京都市となり、新型コロナによる苦境の深刻さが浮き彫りになった関西。

しかし、これらホテルの経営陣は間もなく新型コロナウイルス感染が収束に向かい、国内客、そしてインバウンド(訪日外国人客)による巨大な宿泊マーケットが関西で確実に復活すると見込んでいるのだ。

不動産投資家もその「読み」に乗っかって、いち早く関西で物件を仕込む戦略があってもいいのではないだろうか。

まず、「W」を見てみよう。

南北を走るメインストリートの御堂筋に面して大阪・心斎橋にオープンしたホテルの名称は「W Osaka」。米マリオット・インターナショナルが世界で展開するラグジュアリーホテルだ。まさに先ほど説明したように、地価が急落している大阪・ミナミに近接するエリアにオープンした。

「W Osaka」の全容。黒い一枚岩のようなイメージ
W Osaka」の全容。黒い一枚岩のようなイメージ
御堂筋側の出入口
御堂筋と反対側の入り口(画像の一部を加工)
御堂筋と反対側の入り口(画像の一部を加工)

デザインは大阪出身の国際的建築家、安藤忠雄氏が手掛けた。地上27階、地下1階。外観は黒い一枚岩のような、シックなデザイン。

対照的に内装はネオン装飾が施され、色鮮やか。「外は控えめ」「中は豪華」という粋な遊び方を好んだ、江戸時代の大阪商人の心意気を象徴しているという。遊び心という意味では、ロビーに漫才用のマイクスタンドやDJブースなどが置かれているのも面白い。

入り口も華やかな印象で、米国映画に出てくるクラブのようなきらびやかさ。普通の高級ホテルとは違う、個性豊かなたたずまいといえる。

客室は全部で337室。レストランやバー、フィットネスセンターなどもある。

最上階には、天井の高さが4.5メートル、広さ200平方メートルに達するスイートルーム「エクストリームWOWスイート」がある。

2人利用で100万円から(税・サービス料は別)。オーク材の門扉で仕切られた5つ部屋があり「日本の伝統的な住宅デザインとWブランドのテイストを融合させた豪華なデザイン」だ。

バスルームにはシャンパンボウルをイメージした直径約1.9メートルの金属製バスタブがあり、こちらも、米国映画で富豪が葉巻片手に入浴するシーンが思い起こされる。豪華で遊び心のある装いといえそうだ。

仏高級食品フォションは京都にオープン
世界でもパリに次いで2軒目の出店

公式サイトから
フォションホテル京都の公式サイトから

次に、京都市下京区にできる「フォション」をみてみよう。

運営するのは、高級食品ブランドの仏フォション。ホテルの名称は「フォションホテル京都」だ。日本で初めてのオープンであるのはもちろん、世界でも、パリに次ぐ2つ目の店舗となる。フランスをはじめ、海外各国で人気が高い日本の観光地・京都に、満を持して開業した。

地上10階建てで、客室は全部で59室。フォションのブランドカラーであるピンクと白、黒、金を、西洋の素材と日本の素材や技術で表現し、パリと京都を融合させたデザインにした。

フォションブランドとして世界初出店となるスパを備え、もちろんレストランやカフェもある。パリで人気のスイーツを楽しめるのも魅力だ。

星野リゾート「OMO」は京都に関西初オープン
まずは国内客ターゲット、いずれインバウンドも

国内勢では、星野リゾートの都市観光ホテル「OMO(おも)」が相次いで開業する。

4月15日には「OMO3京都東寺」(京都市南区)と「OMO5京都三条」(同市中京区)が、今秋には「OMO5京都祇園」(京都市東山区)がオープンを計画している。前の2つが関西初出店となる。

来年4月には大阪市のJR新今宮駅前に、「OMO7大阪新今宮」(同市浪速区)も開業する。

OMOは価格を低めに抑えたブランドで、OMOにつく数字は1→3→5→7の順に、サービスや施設の内容が広がる。具体的には、1がカプセルホテル、3がベーシックホテル、5がブティックホテル、7がフルサービスホテルとなっている。これまで北海道・旭川東京・大塚で展開してきた。

OMO7旭川。公式サイトから
OMO7旭川。公式サイトから

ここまで紹介してきたホテルの計画は、とくに京都、大阪などの観光を目的として大量にやって来ていたインバウンドをあてこんでものだったはずだ。

しかし、下の図でみるように、新型コロナの影響で関西へのインバウンドの数は、ほとんど消失してしまった。

近畿運輸局の資料から
近畿運輸局の資料から

しかし、昨年の政府による観光支援策「Go To トラベル」の影響もあって、国内客は持ち直しをみせた。今回紹介したホテルも、まずは国内客の取り込みをはかる方針だ。

そして、ワクチンや治療薬の普及でコロナが収束後、関西には、再び多くのインバウンドが押し寄せると市場関係者はみる。

まだコロナの影響が強くある中でのホテルの相次ぐ開業は、「インバウンドが大量にやって来る環境が再び確実に来る」と経営者らが見込んでいるからだろう。

それは同時に、宿泊関連や観光関連から波及して、不動産市場にも活況が戻ることを意味する。不動産投資家は、今のうちから関西圏での戦略展開を考えてみても良いのではないだろうか。

                                              株式会社寧広