資材価格高騰!ウクライナ侵攻で鉄鋼3カ月連続値上げ、木材6割UP!新築投資に知恵を絞ろう

ロシアのウクライナに対する軍事侵攻の影響で、新築の物件価格がさらに値上がりする可能性が出てきた。新型コロナウイルス禍からの世界経済の回復を受け、もともと値上がりしていた鉄鋼や木材の価格が、ウクライナ情勢の緊迫化でさらに高騰するかもしれないからだ。

足元では2021年度の首都圏の新築マンション価格は1戸あたり平均6360 万円とバブル超えの最高価格を記録するといった動きが出ているが、今後の不動産投資に当たっては、賢く購入のタイミングを見極めていきたい。

鉄鋼に関しては、日本製鉄は、ビルの柱などに使う「H形鋼」の一般流通(店売り)価格を、4月契約分から1トン当たり5000円値上げするという。

値上げは3カ月連続となる。2月契約分では3000円、3月契約分では7000円値上げしており、累計の値上げ額は1万5000円となる。
電炉メーカーの東京製鉄も、鉄スクラップを原料としているH形鋼について、5月契約分を1トンあたり3000円引き上げるという。同社は3月契約分で3000円、4月契約分で7000円引き上げている。

ウッドショック 資材高騰 不動産投資 
新築資材はどこまで上がるのか、投資家の見極めは難しいところだ(写真はイメージ)

ほかの製鉄企業もH形鋼の値上げに動いている。足元では円安ドル高が急速に進んでおり、鋼材の原材料の輸入価格は、さらに押し上げられる可能性がある。

H形鋼はビルやマンション、ビジネスホテルなどに使われており、建設業者などがその値上がりを吸収できなければ、物件価格が上がる方向へと動くのは間違いない。

ロシアからの禁輸で「単板」なども値上がり懸念
「ウッドショック」加速へ アパート、戸建て価格押し上げか

もう一つ頭が痛いのは木材価格の高騰だ。

政府はロシアへの制裁措置の一環として4月、ロシア産の単板(原木を薄く切ったり削ったりしてできた、1枚の板からなる木材)をはじめとする一部木材の輸入を禁止した。

結果として懸念されるのは、木材の供給不足により木材の価格が値上がりするのではないかということだ。
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木材に関しては昨年以降、新型コロナウイルス禍からの世界経済の回復を背景とした供給不足で価格が高騰する「ウッドショック」が問題となっており、ロシアからの輸入が絞られることでこの傾向に拍車がかかる可能性が懸念されているのだ。

農林水産省によると、21年のロシアからの木材の輸入総額は634億円で、日本の木材輸入総額(約1・2兆円)の約5%にあたる。
ロシアからの木材輸入総額のうち、単板は85億円で13%。このほか、製材が435億円で69%、構造用集成材が48億円で8%、などとなっている。

農水省は「夏以降、ロシア材の在庫が尽き、供給不足に陥る可能性があることから、早期に国産材のシェア拡大と安定的。持続的な供給体制の構築に取り組む必要(がある)」と警鐘を鳴らしている。

一方で日本政府は、丸太や、紙の原料となる木材チップの輸入も止めたが、こちらは量が少ないため、影響は軽微であるとみられている。

木材の価格は高騰が続いており、日本銀行が公表した今年3月の企業物価指数によると、「木材・木製品」は前年同月と比べて約6割も値上がりした。ちなみに今年2月も前年同月と比べて、同程度、値上がりしている。

首都圏マンション6360万円、バブル超え価格最高に
早めに買う?中古に切り替え?投資戦略の「目利き」試される

鉄鋼関連の高騰を受けて今後、値上がりするかもしれないのは、新築のビルやマンションだ。一方、木材関連の高騰の影響で値上がりしうるのは、木造で新築の1棟アパートや戸建て住宅だろう。

もちろん、資材価格の高騰が物件価格の上昇へつながるまでには、ある程度のタイムラグがあるとみられる。

しかし、不動産経済研究所が今月発表した21年度の首都圏(1都3県)の新築マンション1戸当たりの平均価格は6360万円で、前年度比6.1%上昇した。バブル期の1990年度(6214万円)を上回り、過去最高を更新する結果となった。

こちらは東京都心のタワーマンションをはじめとする高額物件の人気が押し上げた形で、ロシアによる軍事侵攻などとは関係がない。しかし今後、輸入資材価格の高騰などで、さらにマンション価格が値上がりするのではないかと指摘されている。

値上がりする前に物件を購入するのか、はたまた、新築は投資戦略から外し、中古物件に購入対象を絞るのか。それを見極める不動産投資家の「力量」が試されそうだ。

                                                株式会社寧広