賃貸経営のゴールデンタイム到来! コロナ禍だからと見過ごすわけにはいかない、今やるべき空室対策の基礎New

新型コロナ禍は、未だ収束の兆しすら見せず、さらに拡大を続けている。おそらく1年、いや、それ以上の期間も覚悟をしておかなければならないだろう。

国境が塞がれたおかげで、大都市圏を中心に外国人入居者の新規契約が減る中、入居率を落とす管理会社が増加した。

また「この春は転居する人が少ないだろう」という予想も聞くが、実際のところは蓋を開けて見なければわからない。確かこの状況下で不安定な中「わざわざ引越しをする」という選択をする人は、普通に考えれば減るだろう。

雇用や所得が減少していく中で、今のまま家賃を払えない人は「退去をして一旦実家に戻る」というようなことも起こるだろう。

こうなるとますます空室対策が難しくなることは覚悟しておかなければならない。いずれにしても、繁忙期は一年の中でも取り扱い件数が圧倒的に増える。需要増加に備えて、最低限の空室対策とその基礎的なことは抑えておくべきだろう。
募集条件と家賃設定
損して得とる早期退去

オーナーが少しでも早く家賃収入を生みたいと焦る一方で、入居希望者は、よりよい条件を提示される物件を選ぶものだ。

契約始期が先になるようでも、譲歩(フリーレントなど)をして契約が確定できるのであれば、できるだけ早く入居を確定するほうが賢明だろう。賃貸借契約の解約条項に関して、全国的には日割りで契約終了というのがメジャーではあるが、気をつけたいのが「退去連絡をした翌月末までの契約」というパターンだ。

例えば2月15日に退去連絡を受けたら、3月31日まで契約が発生するというケースである。この場合、3月末までの家賃を受け取ることはできるかもしれないが、退去から原状回復ともなると、入居者可能日は早くとも4月中旬となってしまう。本来、3月中に引っ越したいという需要を、日割り家賃を得ることによって取りこぼしてしまうことになるのである。

できれば、繁忙期は早々に退去をしてもらい、次の入居に備えることが得策といえるし、既存の入居者も無駄な家賃を払う必要がないため喜んでもらえる。

家賃設定に関しても注意を払いたい。近隣のライバル物件(構造、築年数、駅からの距離、賃料設定の近しいもの)と思われるものは、必ずベンチマークしておくべきだ。入居希望者は、同列に複数の物件を見ている訳で、最終的には同じ条件の中で「割安感」を求めることになる。もちろん金額だけではないが、数字は容易に比較されやすいため、たった1000円であってもライバル物件に比べて割高になっていないか注意すべきだ。もちろん、家賃に関しては、家賃、共益費、駐車場、付帯商品など、入居者が毎月払うべきものは全て含めて、比較してもらいたい。

清潔さは最重要
定期清掃を怠るな

リフォームやリノベーションまで必要ないとしても、物件に最低限の「清潔さ」は問われる。植栽選定、エントランス周り、集合ポスト、共用廊下、階段まで清掃されていればよいが、半年以上清掃されていない共用部は、内見しても成約に至らない可能性が高くなる。

特に、冬は夏場ほどひどくはないが、クモの巣、虫の死骸などがあれば、たちまち物件選定候補から外れることになる。管理会社の定期清掃を依頼していない場合でも、比較的コストが安いシルバー人材センターに依頼をして、一月あたり1~2回を目安に清掃をしてもらうと美観が損なわれない。

私の知人のマンションは、都内のターミナル駅から徒歩3分の場所にある鉄筋コンクリート造3階建の1Kだ。メインターゲットを女性にしている様子だが(実際に女性が多いらしい)、共用部はここ1年近く清掃が入っていないということで、埃まみれになっている。

入居者も掃除くらいしないのかと思えるくらい汚れているが、やはり場所の割りに出たり入ったりが頻繁に起こっているらしい。

入居者の保持
退去されないアプローチ

現在住まわれている入居者が、退去をせずにそのまま居続けていただくことができれば、「空室」になることはない。つまり、いかに退去者を出さないかということがカギになる。

退去するほとんどの人が、「転勤」「結婚」「家庭の事情」など、必要であるために退去をするのだが、本来であれば退去を防げるケースも少なくない。

「長く住みすぎて飽きた」「気分転換で引越ししたい」「設備が古くなったのに交換してもらえない」「昔から入居しているのに、新しく入った人よりも家賃が割高だから損した気分で退去する」など、これらは全て防げる可能性がある退去だ。

以前、入居者に直接ヒアリングを行ったことがあるのだが、『更新時に家賃を2000円下げてくれて、エアコンや換気扇の清掃を2年ごとにしてくれた場合、退去をするのをやめますか?』と聞いたところ、退去する必要がなければ、ほとんどの人が「契約を更新する」と言っていた。

たったそれだけのことであるが、オーナーからこのようなことをするケースは稀だろう。

そのまま住み続けて貰えばかからない「退去リフォーム費用」、「募集広告料」、「空室期間の家賃損失無駄な費用」などが、入居者が入れ替わることで発生してしまう。

さらに結局、元どおりの家賃で募集ができないことも、よくある話で、『こんなことなら家賃を下げて元の人に住んでもらっていたほうがよかった』と思っても、あとの祭である。

オーナー目線で言えば、「長く」「高く」住んでもらいたい訳だが、長く住んでいる人ほど「安くしてもらいたい」というコンフリクトが発生してしまうのだ。退去をされることが、いかに損失を被るのかよくお分かりだろう。

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何の提案もない管理会社には
要注意

私が保有する地方物件は、簡易リノベーションをしてまもなく一年が経過するが依然として空室である。こんな記事を書いておきながら、なんともお恥ずかしい話だ。

何度も募集の進捗を教えて欲しいと、管理会社に連絡をしてもなしのつぶて。こちらから連絡をしないと管理会社から連絡の一本もない。来るのは茶封筒に入った、月に一回の送金明細のみ。

以前より、なぜか表敬訪問をすると入居者を決めてくれる傾向が続いていたので、先日、会いに行きたい旨を伝えると「コロナだから東京の人が来るのはお断りする」と言われる始末。

「それであれば、どのように決まるのか提案が欲しい」と伝えても連絡がないので、メールを送っても、完全に既読スルー。

あまりにひどい対応が長く続きすぎて、全てこの手のエピソードは30を超える。

講演ネタとしてウケは良いが、そろそろストレスも限界なので、先日ある別の仲介会社に連絡をして客付け依頼をした。その際、内見の対応のために管理会社の担当の携帯に連絡をするも、折り返しの電話すらない。

直接管理会社に電話をしたら、初めましての人が電話対応で愛想が良い。「最近お客さんの動きはどうですか?」と聞いたら、「担当の〇〇は退去立ち合いばかりに追われてしまっていて…笑。忙しく動き回っています」との返答。

それが理由で折り返し電話がないことも解せないが、ライバル空室物件が大量に市場放出されていることになる訳で、そもそも今後入居者を決めてもらえる可能性はあるのだろうか?

状況は最悪であるが、ゴールデンタイムをふいにしてはならないため、オーナーとしては「今」行動を起こすしかない。

過去に「空室にも管理料がかかる管理会社」や「うちは管理ができませんという不動産会社」がいて、長年諦めていた管理替え。

あまりの管理会社の対応に今回ばかりは遠方でも言葉が通じる大手管理会社に託そうと、新年早々、4度目の管理会社変更を探る令和3年の幕開けである。

                                               株式会社 寧広