賃貸経営、若年層の生態をつかめ!コリビング事業で「新しい体験」を提供

※外観
▲コリビング形態の賃貸住宅「Hmlet門前仲町」は5月15日に内覧会を行った

働き方改革を踏まえて新たなニーズが賃貸住宅市場で注目を浴びている。入居者同士の交流を促す取り組みに重点を置き、ライフスタイルの新たな価値観に対応している取り組みを追った。

Co-Living(コリビング)と呼ばれる運営方法で、賃貸住宅にシェアハウス、サービスアパートメントなどの機能を織り交ぜながら展開するものだ。

入居の契約形態としては、身軽に1カ月単位からじっくり年単位までとフレキシブルに応じる。家具・家電が備え付けられ、身軽に引っ越しができる、身軽に活動拠点を変えられるスタイルが若年層から支持を集めている。欧米のミレニアル世代を中心に普及し始めている。

※部屋写真
▲家具・家電が備え付けてある住戸

2016年創業でシンガポールに本社を置くHmlet (ハムレット)が香港やオーストラリアの3カ国で事業運営をする中で、2019年に日本にも進出して三菱地所と合弁でハムレット・ジャパンを立ち上げてコリビング事業を展開している。

今年5月中旬から新築「Hmlet門前仲町=写真」(総戸数19戸)の入居者募集を始めた。地上8階建て。地下鉄東西線の門前仲町駅と木場駅の中間地で両駅からともに徒歩9分。ハムレットの日本国内11棟目の運営物件となる。

現状は東京23区のみだが、中長期的には大阪や名古屋など地方の主要都市での運営を目指しており、都市部の利便性の高い場所に展開している既存の賃貸住宅や新たに開発される賃貸住宅に照準を当ててコリンピグ形態の賃貸住宅を展開していく。

単身者だけでなく、カップルなどにも対応している。間取りは1K~2LDKを用意している。リネンクリーニングの依頼・受け取り、部屋の清掃サービスが頼める。

コールセンターを設置してエアコンや電気・水道などの室内の設備トラブルなども24時間365日受け付ける。建物内に入居者が自由に使えるシェアリング機能を取り入れた部屋を備えており、入居者だけでなく知人・友人を呼んで無料で使うことができる。

入居期間の契約に
柔軟性、礼金・仲介料なし

入居者の柔軟性に最大限配慮するのが特徴だ。そう説明するハムレット・ジャパンでは、家具・家電が備えられ、家電なしの部屋にはレンタルで自分の好きな家具を借りられる。

入居の期間は1カ月から最大24カ月まで選択できる。最初の契約時は1カ月からの契約となるが、入居を更新する場合は期間が1カ月に満たなくても契約できる。

家賃にはWi-Fiや光熱費込み。礼金と仲介手数料は徴収しない。敷金は3カ月以上の入居の場合で家賃1カ月分、それ未満だと0.5カ月分を徴収する仕組みだ。

入居者コミュニティを円滑にする取り組みに特色を出していく。「新しい体験ができること」をテーマに運営し、各種イベントが定期的に開催され、入居者専用のウェブサイトやアプリ開発を通じて交流イベントを告知したりする。

※共有スペース
▲共有スペース。在宅勤務にも使えるようなっている

多国籍の人のつながりや異業種間の交流などを求める人のキャリア系イベントや同じ趣味を持つ人同士の交流を促すカルチャー系のイメベントを用意する。

たとえば、ヨガ教室、夜の映画鑑賞、語学交流、アート、料理教室、キャリアセミナーなど入居者が望むものはなんでも取り入れていくという。

「ただ住むだけではない経験を提供する。スポーツやアート、料理など楽しみながら新しい文化に触れてみたり、起業や今後のビジネスライフに役立つネットワーキングイベントも……」とサービスを順次拡大していく考えだ。

少子高齢社会で若年層のボリュームが年々細る中でどのように入居者を誘致するか、建物の稼働率を高水準で維持できるか。その方法の一つとして、人と人のネットワークを広げて会社や社会で活躍したいというポジティブ志向の人の取り込みが重要だ。

こうした属性の入居者は、やや家賃が高めでも滞納なく支払う傾向も強い。〝若年層の生態〟をつかむことが一層これから賃貸経営で必須の条件となりそうだ。

                                                 株式会社寧広