良い経費と悪い経費。年末までにやるべき対策

今年もあっという間に残すところ1カ月ちょっと。年が明けたら確定申告が待っています。今年度は、確定申告期限が延長されない可能性が高いと思っています。3月15日までに提出できるようにしっかりと準備しておきたいものです。

年始めから緊急事態宣言が発令されて、飲食店の時短営業、お酒の提供の制限で、交通費、交際費が例年よりも少なくなっているかと思います。「 今年の税金対策どうしよう? 」と考えている方に、年末までにやるべき対策をお伝えします。

1.良い経費?悪い経費?

年末までに経費を使うのはいいのですが、やみくもに経費を使ってもお金を失うだけです。私は経費の中には、「良い経費」と「悪い経費」があると考えています。経費を使うなら、良い経費を使いましょう。

良い経費とは、次年度以降の収入につながる経費です。例えば大企業が、年度末に節税のために利用する経費として、「 広告宣伝費 」があります。

新聞広告、テレビCM、ネット広告を入れることで、多額の出費はしますが、認知度が高められ、その後に売上が増加する効果があるのです。

大家さんも同じように、満室につながる経費、物件のイメージアップになる支出をされるとよいと思います。

1)設備導入で物件の価値を上げる

新たな設備を設置することで入居者を呼び込むためのウリになります。現状満室であっても、設備を導入することで退去防止につながります。

なお、10万円を超える設備は固定資産に計上するのが原則。しかし、青色申告者であれば、一個につき30万円未満の設備であれば、全額経費にすることができます( ただし、総額で300万円が限度 )。30万円未満を意識すると節税になります。

<30万円未満の設備導入例>
・防犯カメラ、宅配ボックス、Wifiの設置
・収納棚の増設
・浴室乾燥機、TVモニターフォンの設置


2)募集の強化・見直し

空室がある方は、繁忙期に向けて募集ページを見直しましょう。とくに写真は募集において大事な要素です。写真が多いほどポータルサイトで上位表示される傾向にあるようです。

また、写真はプロに撮ってもらうと見栄えが全然違います。写真データがもらえれば、使いまわしができるのでお金かけてプロにお願いする価値はあると思います。

<募集の強化に関する支出の例>
・物件写真の撮り直し、HPの作成
・管理会社にお歳暮を送る
・入居付けに協力してくれた仲介会社、管理会社の担当者を慰労する


3)共用部分のイメージアップ

共用部が汚いと空室は埋まりません。空室の部屋ばかりにお金をかけてキレイにする方がいらっしゃいますが、入居希望者がまず見るべきところは共用部です。お金をかけてでもイメージアップをするべきと考えます。

<共用部分のイメージアップに関する支出の例>
・植栽を置く
・共用部分の清掃、共用部の飾り付けなど


すぐにでも実践できる清掃はおすすめです。こちらもプロに頼んで徹底的にやりましょう。年末間際になると料金が高くなる可能性があるので注意してください。

2.悪い経費になっていないか?

悪い経費とは、収入につながらない経費です。特定の経費が悪いというわけではありません。例えば、交際費を例にすると、単なる飲み代であれば、自分が楽しいという効果は得られるかもしれませんが、お金が出ていくだけです。

しかし、情報交換、人脈づくりのための交際費であればよい経費と言えるでしょう。お金が出ていく経費を使って、どんな効果が得られるかが大事なのです。

例えば、節税のために車を買うという方がいらっしゃいます。減価償却によって経費になったとしても、売却するときには収入になります。

税金の繰り延べの効果がありますが、一旦はお金が出ていきますので、単なる税金の先送りであれば意味がないことがあります。

税金を繰り延べる効果を使ってどうするのか? そこまで考えないと悪い経費になります。税金の繰り延べについての詳しい解説については、こちらのコラムをご覧いただければと思います。

参照:その保険と減価償却、本当に節税になってる? 税金の繰り延べを理解しよう②

3.年末までにやるべき節税策

節税は、どのような効果があるかを考えて実施しないと意味がありません。とくにお金が出ていく節税は、いつどのように効果があるのかを理解した上で利用しましょう。

1)小規模企業共済に加入する

加入者は事業的規模の大家さん(サラリーマン大家さんを除く)か、法人の役員になっている方に限定されますが、掛け金が全額所得控除になります。年払いも可能ですので、12月に84万円掛金を払って全額所得控除にすることも可能です。

これは節税しながら貯蓄できる効果があります。共済金を受け取るときに税金がかかります。しかし、相続時に相続人が受け取れば、「 500万円×相続人の数 」分の範囲まで無税で( 相続税がかからずに )受け取れるのでおすすめです。

2)ふるさと納税を活用

所得に応じて一定限度額まで、2,000円の負担で寄付した金額分の税金が減ります。厳密には節税ではないですが、寄付した分の返礼品がもらえることでお得になります。

3)青色事業専従者にボーナスを払う

事業的規模で青色事業専従者に給与を払っている方であれば、ボーナスを払うことができます。賞与は届出に記載した金額の範囲内に限られますが、月額給与の1~3カ月程度の賞与は出せます。

家族内のお金は増えませんが、所得分散による節税の効果があり、家族全体の税金が抑えられます。賞与について届出をしていないという方は、来年以降のために検討されるといいと思います。

このように、様々な対応が考えられると思います。節税の効果を意識して、年末までに何をやるのか。参考にしてみてください。

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