空室の原因は“現場”にあり! 「なぜなぜ分析」を活用して、満室を目指す。

■長期空室は、
管理会社任せで
カイゼンしない

ここのところ、入居者にとってアクセスが悪い郊外物件だけでなく、地方主要都市の中心部でも空室物件が目立つようになっている。

コロナ禍で勤務形態や働き方が変わったことや、法人利用の需要が減少していること、増え続ける新築物件の供給により、需給バランスが崩れていることが要因と思われる。その結果、街中の比較的決まりやすいとされていたような物件でも空室が増えている。

あるエリアでは、春に完成した物件が未だに平均入居率7割程度と言う。新築で満室引渡しと言うのは一昔前の話。賃貸経営をするのにも、事前のリサーチをしなければ、利回りなど絵に描いた餅となってしまうこともありえる。

物件の入居付けが鈍いと、管理会社変更という選択するオーナーもいるが、管理会社を変更したら成果が出るとも限らないので注意が必要だ。

たとえば、管理戸数が多い大手に任せたらすぐに決めてくれると考えてしまいがちだが、そのような成功事例は限定的だ。フタを開ければ「以前任せていた管理会社よりもひどい」とか「半年経過しても結局一部屋も決めてくれない」と言うことが多々ある。

大手は、ブランド(信用力)があり安心感はあるかもしれないが、管理戸数が多い会社ほど任せているオーナー、つまりライバルとなる「空室」が増える。当然、その管理会社が受託している他の空室物件よりも優先的に決めてもらえるわけではないので、決めてもらうための優位性を何かの方法で持たせないといけない。

さらに、他社から積極的に客付けしてもらえない(各管理会社も自社の空室物件を決めなければならない)などの業者間事情も存在するため、本質をカイゼンせずに管理会社だけ変更しても、結果が伴わないのである。

■問題は現場にあり!
空室要因を肌で感じる。

空室になっている理由は、現場にいかなければ本当の原因がわからない。管理会社に任せているからと、放置をしているようでは、今の時代、よっぽどの魅力ある物件でない限りすぐに満室になることはない。

空室が長期間続く物件にいくと、まず目に付くのが、共用部が汚れているケースである。いくら良質な物件でも、物件の顔となるエントランス周りや共用部が汚れていれば、決まるものも決まらない。特に夏場は、共用部の虫の死骸やクモの巣などであっという間に汚れてしまう。

空室が数ヶ月~半年にもなると、室内にも砂ホコリ、コバエの死骸、排水管の臭いなど、決まらない原因がさらに増え続ける。空室が増えるほど管理会社もスタッフの手が回らないため、定期巡回が追いつかず、空気の入れ替えすらされないことがある。こうして長期空室という負の連鎖に陥ってしまう。

さらに、「毎月定期清掃料を払っているはずなのに、どうみても数ヶ月以上清掃がされた痕跡が残っていない」こともある。毎月書面やクラウドシステムなどを通じて、結果報告などがあれば良いが、完全に手抜きをされることもあるので要注意だ。

IMG_2543
回収されないペットボトルが散乱する、ゴミ置き場
IMG_2540
ドアポスト内側に郵便受けがついていないため、玄関内側に散乱したチラシ

共用スペースなどは、管理会社がきっちりと定期巡回をして、気づいたことをその場でカイゼンしていればチラシが放置されていることも、ゴミ置き場に回収されないペットボトルが放置されることもないだろう。

■なぜなぜ分析で
空室の本質を探る

現場で問題点を発見したら、すぐに管理会社にカイゼンを促す必要がある。ただ、問題は表面上のことだけにとどまるわけではない。問題点の根源である原因の解明、いわゆる「空室要因分析」が重要だ。空室要因は物件により違うのだが、大きくは「内部環境(物件自体の問題)」、「外部環境(物件を取り巻く市場)」、「管理会社」、「オーナー」の4つのカテゴリーに分類される。

20210415_4-5-1
-ラクして稼ぐ不動産投資33の法則- (今井 基次著)

たとえば、「物件の共用部が汚い」という問題があったとすると、「オーナーが定期清掃代を支払わないから汚れている」のか、「清掃代を支払っているのに、清掃されていない」のか、「掃除をしても入居者の利用の仕方が悪くてすぐに汚されてしまう」のか、問題の発生原因を探らないと、いつまで経ってもカイゼンされないのである。

さらに、本当のカイゼンをするためにはさらなる分析が必要だ。トヨタのカイゼンでも有名な「なぜなぜ分析」と言う方法があるが、問題の原因を探って、抽出した問題点を「なぜ?」の視点からひとつひとつ掘り下げていくことで根本治療を行なっていく。そうした掘り下げをすることで、問題の原因と対策が可視化されるのだ。

たとえば、先ほどの「物件の共用部が汚い」という問題について、「それはなぜか?」という問いを繰り返してみる。

【なぜなぜ分析の事例 】

「物件の共用部が汚い」→なぜか? 

「定期清掃代は払っているはず」→なぜか? 

「管理会社が実行していない、または委託業社が実行していないことを管理会社が把握していない」→なぜか?

「管理会社が現地に行くことがほとんどなく、状況を知らなかった」→どうするか?

「管理会社から毎月清掃報告を書面でさせる」→実行される

毎月確認で、カイゼンに向かう。

■空室の要因は
ひとつではない

もちろん、空室の要因がひとつだけということはなく、大抵は複数の要因が相互に関係しあって「空室」という結果となっている。

部屋探しをしている入居者目線で考えれば、最終的に「コスパ」で判断されるが、選択肢の中から消去法で候補から外されないようにすることが、満室までの道筋となる。その中で、ライバル物件と比べていかに優位性を出せるのかが重要となるのだ。

まずは管理会社よりも先んじて現地に足を運び、空室の原因を特定し、カイゼンに向けて管理会社と協議をする姿勢を持つことが重要だ。何度も言うが、管理会社任せでは決めてもらえないくらい空室は増えている。自分の所有する物件を、自分の目で見て、感じて、カイゼンを実行をする、そんな泥くさいことも満室稼働への道筋なのだ。

                                              株式会社寧広