移住したい都道府県ランキング。常連TOPの長野を抜いてコロナ禍で1位になったのは「あの県」だった!New

近年は政府や自治体が交付金や補助金を出すなど、国を挙げて推進している、地方への移住策。東京をはじめとする都市部への人口集中は大きな課題で、人口減で苦しむ地方を支援する手立てとして注目されている。

近年は、「ゆっくり子育てしたい」「自然に囲まれて暮らしたい」などの理由で、地方移住を希望する人が増えている。どういった場所が人気なのだろうか。
近年は、「ゆっくり子育てしたい」「自然に囲まれて暮らしたい」などの理由で、地方移住を希望する人が増えている。どういった場所が人気なのだろうか。

これに伴い、各自治体も住居の提供や起業・就労支援、手厚い子育てなど、魅力的な施策で取り組んでいるが、どういったエリアが人気なのだろうか。

とりわけ、昨年は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、テレワークを実施した企業も多かった。移住希望者にはどういった影響があったのか、興味深いデータを紹介しよう。

都市部にアクセスしやすく自然が豊かな
都道府県が上位にランクイン

調査を実施したのは、移住支援や情報提供を行う,認定NPO法人ふるさと回帰支援センターだ。ふるさと回帰支援センター(東京)の相談者・セミナー参加者(2020年1月~12月)を対象に移住希望先を聞いたところ、結果は以下のように。なお、昨年は新型コロナの影響で大半の移住セミナー・相談会の開催形式がオンラインになったため、窓口相談者とセミナー参加者をわけて集計している。

【窓口相談者】
1位:静岡県
2位:山梨県
3位:長野県
4位:福岡県
5位:宮城県

【セミナー参加者】
1位:和歌山県
2位:広島県
3位:佐賀県
4位:静岡県
5位:長野県

ふるさと回帰支援センター(東京)の移住希望先ランキング。年代別を見ても、20~60歳代の1位は静岡で圧倒的な人気を見せつけた。 出典:認定NPO法人ふるさと回帰支援センター
ふるさと回帰支援センター(東京)の移住希望先ランキング。年代別を見ても、20~60歳代の1位は静岡で圧倒的な人気を見せつけた。
出典:認定NPO法人ふるさと回帰支援センター

過去の同調査では、長野県がトップの常連で、静岡県や和歌山県がトップになったのは、初のこと。

この結果に対して、ふるさと回帰支援センターはプレスリリースで「静岡県は新型コロナ禍でも出張相談会をオンラインに切り替えるなど体制整え、相談件数を落とさなかった。

同じくオンライン出張相談を強化した山梨県も2位になっている」と分析。セミナー参加者のランキングについても、「それぞれ移住への入り口としてライト層が参加しやすいオンラインイベントを多数開催し、『しごと』『すまい』といった、移住者の関心事だけでなく、地域の食材や地酒、謎解きなど、様々なテーマによる集客に成功し、首都圏以外からの参加者を増やしたことがあげられる」とコメントしている。

ちなみに、静岡県公式の移住・定住情報サイトの「ゆとりすと静岡」では、「立地」や「特徴」「支援策」から移住先を検索することができ、起業・就業支援の情報も豊富。医療や福祉など暮らしの関する情報を丁寧に提供している。

和歌山県も同様で、県公式の移住ポータルサイトの「わかやまLIFE」で、就業支援や空き家情報、移住支援制度を紹介するとともに、暮らしの魅力も伝えている。他の自治体もそうだが、情報の充実も希望移住先には、少なからず影響しているに違いない。

静岡県の移住情報サイトの「移住先検索」。さまざまな条件から市町が表示される。 出典:ゆとりすと静岡
静岡県の移住情報サイトの「移住先検索」。さまざまな条件から市町が表示される。
出典:ゆとりすと静岡

一方、両県に共通するのは、気候が温暖で、海・山ともに豊かな自然に囲まれたエリアだということ。

さらに、静岡であれば新幹線を使えば東京や名古屋に出やすく、和歌山もJRや南海電車を使うと大阪は決して遠くない。テレワークで出社頻度が減った会社員にとって、ほどよい「職住遠隔」の距離感といえるだろう。

長野や山梨もそれは同様で、佐賀の場合は福岡に近い。宮城、広島、福岡に関しては、それぞれ東北、中国、九州最大の都市があり、都会と田舎両方の魅力を味わうことができる。暮らしのギャップがあまりないという点で、評価が高いのかもしれない。

同調査の窓口相談者編では、9位に神奈川県、10位に群馬県、12位に茨城県、13位に栃木県といった首都近郊の自治体が選ばれているが、これもテレワークを意識したと考えられる。

ふるさと回帰支援センターも「コロナ禍で在宅勤務となり、職場へのアクセスを重視していた人が、出勤時間よりも「もう一部屋」の余裕を求めての引っ越しに近い感覚での移住希望が増え、東京の郊外の概念がさらに拡張していったものと考えられる」と分析している。

今回の調査で分かるのは、テレワークなどの新しい働き方の登場により、移住のハードルが下がったことだ。転職しないでも地方に引っ越せる人が増えることで、今後は移住が加速する可能性があるだろう。各地域の賃貸市場にも影響を与えるかもしれない。

                                             株式会社寧広