相続登記の義務化、2024年4月から!所有者はっきり分かり不動産取引スムーズに!New

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相続を知った日から3年以内に登記義務、遺贈も

罰則は10万円以下の過料、悪質性で額変わる?

相続する不動産の登記が2024年4月1日から義務化されることになった。関連する法律の改正法の施行日を決めた政令が、昨年12月に政府が閣議決定された。怠ると、罰則として最大10万円の過料が課される。このほか不動産登記に関しては、住所変更の場合も登記が義務となる。買いたい不動産の真の所有者が分からず、手続きが進まないといった事態を避けられるので、不動産投資家も注目していきたい。

相続登記の義務化の内容は次のようなものだ。

ある人が、自分が不動産を相続したことを知り、不動産の所有権を取得したことを知った場合、その日から3年以内に、所有権の移転を登記しなければならない。

また、相続の手続きでなく、遺言により相続人または相続人以外の人に不動産を引き継がせる「遺贈」の場合も、同じ義務が課せられる。

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なお、法律が施行される2024年4月1日より前に行われた相続も同じ義務が生じるので注意が必要だ。「相続を知った日」か「法律の施行日」の遅いほうから3年以内に相続登記をしなければならない。

たとえば、相続を知った日が2023年4月1日だったとすると、法律施行日の2024年4月1日のほうが遅いので、2024年4月1日から3年以内に登記する必要がある。

一方、相続を知った日が2025年4月1日だとすると、こちらのほうが法律施行日の2024年4月1日より遅いので、2025年4月1日から3年以内に登記しなければならない。

正当な理由がなく登記を怠れば、最大10万円の過料が課せられる。過料は罰金に似ているが、罰金と違って刑罰ではないので、過料を課せられても前科はつかない。

額は10万円が最大なので、5万円や6万円を課せられる可能性もある。過料の金額は、登記せず放置していた期間や悪質性などで判断されるだろう。

住所が変わった場合にも登記義務化へ
2年以内の登記が必要、怠れば過料5万円以内

また、不動産の所有権を登記している人は、引っ越しなどで住所が変わった場合も、登記が義務となる。施行日は今のところ決まっていない。

こちらは、住所などを変えた日から2年以内に登記しなければならない。もし正当な理由がなく登記を怠れば、最大5万円の過料が課せられる方向となっている。

これらの不動産登記に関する義務が設けられるのは、いわゆる「所有者不明土地」の問題を解決するためだ。

政府の定義によると、所有者不明土地とは、「①不動産登記簿によって所有者がすぐに分からない土地」「②所有者が分かったも、いる場所が分からないため連絡がつかない土地」をいう。

全国で約410万ヘクタールあり、九州の面積(368万ヘクタール)を上回る規模だという。

「所有者不明土地問題研究会」の資料から
「所有者不明土地問題研究会」の資料から

引き起こされている問題点は次のようなものだ。

まず、所有者を探すのに多くの時間と費用が必要になる。具体的には、戸籍や住民票を集めたり、現地を訪問したりする負担だ。

次に、所有者の居場所が分からないが場合には、土地が管理されずに放置されることが多い。近隣に対する安全性や治安の問題が出ている。

また、共有者が多くいる場合や、一部の人の居場所が分からない場合には、土地を管理したり利用したりするのに必要な合意を形成することが難しくなる。

そうすると、公共事業や復旧・復興事業がスムーズに進まない。具体的には、リニア中央新幹線に関連する工事や東日本大震災の復興事業などで問題になった。

これに伴い、民間事業者による取引が阻害されるなどして、土地の利活用が阻害されることになる。

相続登記の義務化で所有者不明土地の増加歯止めへ
真の所有者がすぐ分かり不動産投資家にはメリット

所有者不明土地の増え続ける理由の一つとしては、相続登記の申請がこれまでは義務ではなく、申請しなくても不利益をこうむることが少ないことが挙げられる。

今後も社会の高齢化が進み、死亡者が増え、相続される土地も増えていくことだろう。「相続登記の義務化」という制度上の歯止めをかけなければ、所有者不明土地も増え続けていくだろう。

相続登記の義務化が根付けば、現時点での本当の土地所有者が分かるので、その土地を買いたい不動産投資家はスムーズに取り引きを進められる。

先ほど述べた「所有者を探すのに多くの時間と費用が必要になる。具体的には、戸籍や住民票を集めたり、現地を訪問したりする負担だ」という問題は、そのまま不動産投資家にもあてはまる問題だ。

相続した土地や家屋を使い続けようという意欲が低い人は多く、こうした土地や家屋は、安く手に入れられる可能性が高い。安く仕入れて高収益を生み出すという不動産投資の戦略を。相続登記の義務化は後押しししそうだ

                                                 株式会社寧広