火災保険料率が全国平均10%アップへ。最大は沖縄36.6%引き上げ

イメージ

地球温暖化による自然災害の激甚化。最近は毎年のようにゲリラ豪雨や台風の大型化で雨風による多大な被害を家屋にもたらす。こうした自然災害を踏まえた備えとして保険があるが、その保険料も被害の増大とともに値上がりしている。

損害保険料率算出機構(損保料率機構)は6月15日、「損害保険料率算出団体に関する法律」(料団法)第9条第1項後段の規定に基づき、火災保険参考純率の変更に関する届出を5月21日付で金融庁長官に行い、6月16日に保険料の引き上げについて「料団法第8条の規定に適合している」という通知を受けたと発表した。

これにより、住宅総合保険の参考純率は全国平均で10.9%引き上げられる。すべての契約条件(都道府県、構造、築年数、補償内容等)の改定率を平均して算出したもので、改定理由は自然災害リスクの増加としている。

◎自然災害の激甚化などで膨らむ保険支払いに対応

2019年10月には、2017年度から2018年度に発生した大規模な自然災害の影響を踏まえて平均4.9上昇、T構造で0.6%下落、H構造で3.3%上昇となる。同様に大阪府を見ると、M構造で15.3%上昇、T構造で15.6%上昇、H構造で24.6%上昇となり、愛知県はM構造4.5上昇し、T構造3.2%上昇、H構造5.9%上昇となる。大阪府では、M構造で21.5%上昇、T構造で22.4%上昇、H構造で30.9%上昇と三大都市圏で突出して引き上げ幅が大きい。

今回の改定率を見ると、最大は沖縄県で36.6引き下げとなっている。

◎保険料率と備えに合った補償なのか分析で選択する時代

築年数が古い建物は、築浅に比べて電気・給排水設備などが老朽化している影響で火災や水漏れリスクが高いことを反映しているという。住宅ストックが毎年積み上がるとともに、築年数が古い割合も増加することを受けて保険料の引き上げが必要としている。

こうした火災保険を巡っては、損保各社が保険料を変えない契約期間について、現行の最長10年から5年に短縮するなどを検討していることも報じられている。

住宅購入を検討する人や賃貸住宅のオーナーにとって、保険料率など諸費用は極力抑えたいと考える。例えば、いま賃貸オーナーが加入している保険の満期前にいったん解約して、保険料率が上がる前に10年分を先払いする形で再契約するといった保険料引き上げリスクの軽減効果が発揮しにくくなりそうだ。

消費者に対して、そうしたアドバイスをする専門家などのところにクレームを付ける損保大手の話も聞かれる。複数で押しかけてきた例もある。投資家や賃貸オーナーは、保険の重要性を認識しなければならないが、半面、保険業界の体質を踏まえながら保険会社を選ぶ眼力が問われている。

『自分たちが儲けるために保険を売っているのか』『リスクに備える家主を助けるために保険を売っているのか』という保険会社としての1丁目1番地である立ち位置に目を向けて災害に備えたいところだ。保険料率に見合った補償内容なのか、顧客に寄り添ったアドバイスをしてくれているのか。

ちなみに損害保険料率算出機構では、地震保険の保有契約件数と新規契約件数も都道府県別にまとめている。今年3月末時点の保有契約件数は2035万5462件(前年度比3.1%増)だった。保有契約件数は955万9989件(前年度比0.5%増)と1992年度以降29年連続して増加して過去最高となっている。

                                                  株式会社寧広