気候変動による災害リスクが不動産価値に大きな影響を及ぼす時代へ!世界各地の「未曾有の自然災害」も他人事ならず

台風の影響で多摩川が氾濫し、タワーマンションが機能不全になった。
多摩川が氾濫し、タワーマンションが機能不全になったことは記憶に新しい。

気候変動に伴い、低リスクな土地に引っ越す
「環境移民」が増加している。

気候変動により、世界各地でこれまで考えられなかった自然災害が起こっている。

例えば、アメリカも毎年のようにハリケーンや熱波、かんばつや山火事などの災害が、人々の生活を脅かしている。近年、日本と同じように記録的な猛暑を記録している北米では、不動産業者が物件の暑さ対策に力を入れているそうだ。

気候変動が引き起こす自然災害を避けるために、より低リスクな土地に引っ越す「環境移民」と呼ばれる人たちも増えている。被災して移住せざるを得ない人がいれば、リスク回避のために能動的に移住している人もいるという。

地球温暖化による海水温上昇が遠因?
重大な災害を引き起こす豪雨が頻発。

日本においても「未曾有の災害」と表現される自然災害が増えた。特に豪雨災害は顕著である。

気象庁の「異常気象分析検討会」によると、気温の長期的な上昇で大気中の水蒸気の量が増え、降水量が増えた。地球温暖化の影響で、インド洋の海水温が上がったことが関係しているという。

重大な災害の起こるおそれが著しく高まっている場合に発表し、最大級の警戒を呼びかける「大雨特別警報」は、2013年に導入されてから、33都道府県に計16回発表された。福岡、長崎県、佐賀など九州地方に集中している。

大雨特別警報の発表基準に満たなかったものの、記憶に新しい重大な災害といえば、「令和3年7月伊豆山土砂災害 」だろう。現場は土石流、地滑りのリスクがあるエリアだった。

火災保険の保険金支払い額増加に伴い
保険料が上昇する見通し

自然災害による火災保険の保険金支払い額も増加傾向である。損害保険会社各社でつくる損害保険料率算出機構も、2021年6月に将来の保険金支払いに充てるため、火災保険料の目安となる「火災保険参考純率」の改定を行うと発表した。

全国平均で10.9%の引き上げとなるが、保険料の値上げ幅は事業費なども加味して、損害保険会社が独自に決める。また、エリアや物件の種類、築年数などによって変動幅は異なる。保険料変更の開始は保険会社により異なるが、2022年10月からの見通しだ。

自然災害リスクも織り込んで
物件購入の意思決定をしたい。

ハサ?ート?マッフ?
ハザードマップで、土砂災害のリスクがあるエリアを表示させている。複数のリスクを重ねて表示できる。

災害大国日本では地震などのリスクもある。ハザードマップや国土地理院が公開しているベクトルタイル「地形分類」(土地の成り立ちと、自然災害リスクを把握できる)などを駆使して、物件購入の際にリスクを認識しておきたいところだ。

地理院地図
地理院地図で検索すれば、土地の成り立ちや災害リスクもある程度把握できる。

自然災害リスクが比較的低いエリアの価値も見直されると思われるが、それ以外にも魅力がなければなかなか選びづらい。アメリカの話に戻すと、ニューヨークやボストン、ニューオーリンズなどはハリケーンなどの自然災害リスクはあるものの人気が高い。

当たり前の話ではあるが、「人口が多く経済が発展している」「利便性が高い」「優れたカルチャーがある」などの魅力があれば、自然災害リスクがあるとしても住み続けたいと考えるのが普通だろう。

「近い将来、地震がくる」と言われている東京の人口が増えているのと同じだ。不動産投資家は、エリアの魅力とリスクを天秤にかけて、意思決定をしていかなくてはいけない時代がきた。慎重に見極めたいところだ。

                                                  株式会社寧広