東京五輪後も上がり続ける不動産価格。緩和マネーと投資家の意識が上昇スパイラルを生み出す。New

東京オリンピックが終わると不動産価格は下げに転じる、不動産価格のピークは東京オリンピックの2、3年前まで、というような見方をする専門家が五輪開催決の2013年9月以降によく見られたがその見方は大きく外れている。コロナ禍で危ぶまれた五輪開催も1年延期して今年とりあえず行われたが、現在の不動産価格が落ち込む様子は見られない。

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健美家でも11月18日に「不動産投資に関する意識調査」を発表しているが、投資用不動産価格は1年前よりも「価格が上昇している」との回答が69.2が続いたが、2年ぶりに変化が見られたという。ファミリータイプも同じように0.1ポイント低下して4.2%の期待利回りだった。

売り主と買い主の価格目線が合わない状態

「東京23区の不動産価格が下落に転じる、価格調整が本格化する要素が見当たらない。天災や戦争が起こらない限り価格が下がることはない」(都内の富裕層向け不動産仲介会社)との見方が強い。売り主としては「まだ価格が上がるのでは……」との気持ちが強いことで投資物件を探している買い主との価格目線が合わない状態が続いているという。

東京23区では投資対象となる物件の品薄感が強い中で、割安な物件が市場に出るとすぐに買い手が付く。

「周辺の取引価格の相場が1坪当たり300万円前後の場所で200万円ほどの物件が出るとインド人がすぐに購入した。この物件は50~60坪の敷地の戸建て住宅だが、所有者が売り急いでいたこともあって掘り出し物件になった」(江東区内の仲介事業者)。

東京区部では、住宅地として人気が根強い城西・城南地区に比べて割安感のあった城東地区でも30坪に満たない土地が億に達する取引が相次いでいるという。

地べたを持つ強さが際立っている。都心ではその傾向がさらに強く、50㎡の借地が6800万円であったり、47㎡のコンパクトマンションが1億1400万円で取引されたり。潤沢な資金を持っている投資家が活発に動いている。

目線は利回りより云々よりも買えない焦りが増している

新型コロナの感染爆発による影響は不動産のタイプによっても違っている。オフィス、都心型商業施設、郊外型商業施設、ホテルはネガティブな影響を受けているが、賃貸住宅や底地はネガティブな影響をあまり感じていない。コロナ収束後の回復見通しでも賃貸住宅や底地は「いち早く反転回復する」との見方が多く、オフィスや商業施設、ホテルが反転回復まで1年程度の期間が必要とする見方とは温度差がある。

9月30日に緊急事態宣言が解除されてから新規のコロナ感染者数が減少を続けていることで、街の賑わいが戻り始めている。この温度差が徐々に解消されれば、社会経済活動の正常化に弾みが付く。金融緩和の下での潤沢な投資マネーが価格を押し上げて利回り商品としての投資妙味が薄れるものの、下がらない資産価値、むしろ上がり続けている資産価値に焦りを覚える投資家の資金流入が上昇スパイラルを招きそうな雰囲気である。

                                                  株式会社寧広