年収1000万以上は都心を選ぶ。賃貸住宅人気1位は南麻布

の1年あまりの新型コロナ禍で住まい方の二極化が進んでいる。感染第4波を受けて政府は東京、大阪、京都、兵庫の4都府県で緊急事態宣言を発令した。期間は4月25日~5月11日まで。

大型商業施設やレジャー施設、映画館などにも休業要請が出され、昨年4月の第1次緊急事態宣言並みの強い宣言となった。

飲食・サービス、観光産業などは断続的に緊急事態が続き、休業・営業時間の短縮で疲弊しており、それが従業員に波及する。所得環境の悪化が進んでいる。半面、コロナの影響を受けない人も少なくない。企業も個人もK字回復で経済格差が広がっている中で、高所得者をターゲットにした賃貸住宅がにぎわいを見せている。

◎入居者年収2000万円以上が4割占める物件も

住宅価格は東京都で上昇が続き、特に千代田や港区、渋谷区などの都心で億ションが進んでいる。世界的な金融緩和による株高の恩恵を受けた富裕層、高額所得者が都心部で住宅を購入する傾向はコロナ前と変わらない。テレワークの浸透で郊外がもてはやされるが、そこに向かっているのは中低所得者層であり、いわゆる高額所得者は依然として職住近接で都心を選好している。節税対策としての需要もおう盛だ。

小田急不動産などが東北沢駅徒歩3分の場所に開発した低層マンションは高い住戸から売れていったという。価格は9880万~2億8700万円だ。都心好みは賃貸住宅でも同様だ。今年2月にオープンした賃貸レジデンス、オフィス、ショップからなる複合施設「CONTRAL  NAKAMEGURO(コントラル中目黒)」。地上5階建てで1K~2LDK(27.43~86.06㎡)の70戸は賃料の高い住戸から成約が決まっている。家賃は15.9万~58.5万円で設定。成約の属性は、経営者や高年収のサラリーマンで、年収2000万円以上が4割合ほどを占めているという。

◎ 人気エリアは港区に集中

そうした中で、不動産テックサービスを提供するRENOSY X(リノシークロス、東京都港区)が3月に年収1000万円超える人が選ぶ「住みたい街ランキング2021」をまとめたところ、東京都港区がトップ10に6エリアがランクインした。1位は港区南麻布、2位が新宿区新宿、3位が中央区勝どきとなった。

年収1000万円①
▲第1位の南麻布エリアのイメージ写真(出所:リノシークロス)

リノシーに掲載されている賃貸物件の成約データをもとに調べた。4位以下トップ10は、港区赤坂、港区海岸、渋谷区神宮前、新宿区西新宿、港区六本木、港区高輪、港区芝浦だった。同社では、東京23区で脱都心の動きが見られるものの、賃貸物件では、部屋面積の広いほど需要が増加し、家賃も上昇傾向にあるという。

1位の南麻布は、有栖川宮記念公園があって都心にいながら緑の多い自然を感じるエリアが魅力とする。最寄り駅は白金高輪駅となる。2位の新宿は、商業施設やビジネス街で構成され、JR新宿駅の1日の平均利用者数が359万人で2018年にギネス記録に認定された。

3位の勝どきは、2020年東京五輪・パラリンピックの選手村跡地として開発が進んでいる。神宮前では、神宮前6丁目地区第一種市街地再開発事業の建設が進み2022年に複合型の商業施設が開業する予定だ。

イメージ年収1000万円②
▲第2の新宿・西新宿エリア(出所:リノシークロス)

◎プロも高収入層への対応を強化

こうした動向に呼応するようにプロの戦略も高年収層の取り込みに大きくシフトしている。東急リバブルは、売買仲介店で賃貸相談に応じるサービスを始めた。「リバブル つながる賃貸」を都心や湾岸エリアなど一部売買仲介店で導入する。高単価家賃を積極的に取り込んでいくため、売買店に訪れた顧客を近くの賃貸専門店とリモートでつなぎ対応する。

野村不動産ソリューションズ(旧野村不動産アーバンネット)では、都心高級マンションを専門に売買仲介する新ブラン店「REALIA(レアリア)」を立ち上げた。4月中旬に第1弾店舗を麻布十番にオープンしている。コロナ禍の賃貸住宅は、安定稼働と高い賃料に期待できる層の取り込み合戦が激しさを増す。

                                             株式会社 寧広