国交省が空き家所有者実態調査報告書を発表。調査結果から空き家投資の可能性を探るNew

国土交通省は2020年12月16日に「令和元年空き家所有者実態調査 報告書」を発表した。

※参照:国土交通省 報道発表資料

空き家実態調査の結果から、空き家投資のメリットや注意すべきリスクを探る。

空き家の立地と
物件種別について

報告書によると、調査対象となった空き家の約54%は大都市圏外の市部に立地している。

空き家が所在する市区町村の属性について
アンケートの対象となった空き家の立地について

空き家というと、田舎の人が寄り付かないようなエリアに立っている家をイメージする人も多いかもしれない。

しかし、イメージされるような、大都市圏外の郡部に立地する空き家は約10は大都市圏の市部に立地しており、市部に立地する空き家は大都市圏内・圏外を合わせて全体の86%と圧倒的多数だ。都市部に立地する空き家は多いと言える。

物件種別を見ると、全体の約90%を一戸建てが占めている。アパート・マンションなどの共同住宅が約6%、テラスハウスなどが3.5%と続く。

空き家の物件種別について
空き家の物件種別

都市部に立地する戸建の空き家を安く買えれば、ファミリー層を入居者ターゲットとした、高利回り投資を期待できる。

空き家の構造と
建築時期について

調査対象となった空き家のうち、約86%は木造物件で、鉄筋コンクリート造は6.8%だ。

空き家の構造種別について
空き家の構造種別について

物件種別と構造の調査結果を見ると、大半の空き家は木造戸建物件であることが推測される。

ただし、アパート・マンションに限っては約77%が鉄筋コンクリート造で、木造物件は約13%と少ない。

物件種別の構造について
物件種別の構造について

建築時期を見ると、調査対象の約70%は昭和55年(1980年)以前に建築されていることがわかる。

空き家の建築年別グラフ
空き家の建築時期について

昭和56年(1981年)5月31日以前に建築確認を取得している住宅は、旧耐震基準で設計されているため、空き家の大半は旧耐震基準の住宅に該当すると言えるだろう。

旧耐震基準の物件投資では、融資元の金融機関を探すのが難しい。空き家投資では、多くの物件でローンを使う難易度が高い点に要注意だ。

築年別・構造別に見る
物件の状態について

調査対象の劣化状況を見ると、腐朽・破損がない物件は全体の約40%で、約55%の物件は何らかの腐朽・破損が確認されている。

空き家が抱える腐朽・破損の状態について
空き家の腐朽・破損に関する割合

また、「屋根の変形や柱の傾きなどが生じている」とされる物件は約22%に登っており、空き家のうち約2割は構造上の劣化が懸念される。

なお、建築年別に劣化の有無を見ると、建築年を過去に遡るほど劣化がある物件は多くなる。

空き家の建築年別腐朽・破損状況
空き家の建築年別に見た腐朽・破損の状態

特に、昭和25年(1950年)以前に建築された物件は、その多くに構造上の劣化が疑われる。約44%が屋根や柱に劣化を抱えている状態だ。

物件の構造別に劣化状況を見ると、木造物件の58%には何らかの劣化が認められている。

空き家の構造別腐朽・破損状況
物件構造別の腐朽・破損状況

しかし、鉄筋コンクリート造の物件では、劣化が確認された物件は約24%と比較的少数だ。

築古の木造空き家に投資する場合は、特に構造上の劣化が起きていないか、事前に入念な確認が必要になる。

物件の劣化状況を確認するためには、インスペクションの活用などが有効だ。

空き家投資は物件が安く高利回りだが
劣化状況やローンの利用可否にリスクあり

調査では、空き家の所有者に対して、賃貸・売却する上での課題についても尋ねている。

課題として「買い手・借り手の少なさ」を挙げる人は42.3%に登っており、最多割合となった。

空き家のオーナーの多くは「空き家は売れないし貸せないだろう」と考えていることがわかる。

また、空き家の取得理由としては「相続」が54.6%と最多を占めており、自ら利用・投資する目的で買った人は少ないと言える。

売れる見込みが低いと考えている売主に対しては、物件購入時に指し値が通る可能性も高い。空き家は安く買える確率が高いと言えるだろう。

物件価格が安ければ投資の利回りは上がるので、空き家投資は初期費用を抑えて高利回りを狙える。

しかし、旧耐震基準の建物が多いことから、必ずローンを使えるとも限らない上に、物件の劣化状況には十分な注意が必要だ。

                                               株式会社 寧広