収益力が大幅に低下した大阪・ミナミは不動産投資のチャンスひしめく!

新型コロナウイルスの感染拡大で国内外の観光客が消滅して1年10カ月あまりが経過する。地価動向に大きく反映された。特に大阪の商業地で没落が目立つ。

梅田地区では、休業要請や人流の減少などで店舗・ホテルの収益性が低下し、心斎橋・なんば地区ではにぎわいを演出していた外国人観光客が消滅したことで店舗・ホテル需要が大きく減退した。商業は観光地の国内外向けの施設があるようなところとそうではないところで正常化に向けたスビート感が変わってくる。

大阪
政府のインバウンド需要を取り込む政策で訪日客が毎年増えてきた。その山が高い分、コロナ感染で谷も深くなっているが既に底は打っている。これからはコロナ第6波にならないよう気を遣いながら需要がどのような形で戻ってくるのかに注目が集まっている。(写真はコロナ感染前に撮影したもの)

都道府県地価調査(基準地価)を見ると、大阪はビジネスエリアの梅田地区で地価の下落率が縮まり始めたが、歓楽街の心斎橋・なんば地区の地価動向は拡大傾向が続いている。

いわゆるキタとミナミの地価の強さはコロナ前から逆転した。キタはオフィス街が中心なので歓楽街ほど落ち込まないで済んだ。コロナ前のインバウンド需要で大阪圏の地価上昇率1位をミナミに一度奪還されたが、キタがその復権を取り戻そうとしている。

ミナミはやはり傷みがより激しい。訪日外国人がいなくなり、国内の観光客も減った。観光に頼って潤ったところほど下落率が大きいことからマイナスから脱するのに時間がかかりそうだ。

街のポテンシャル引上げるイベント大阪で目白押し

ただ、このミナミがマイナスから脱するのにかかる時間というのは、投資家にとっては仕込みのリードタイムとして考えることができる。特に飲食店舗などが入居する店舗ビルはアフターコロナ、外国人観光客が将来戻ってくることなどを見据えれば今が買い時と受け取れる。

東京五輪・オリンピックが終わり、東京で利幅が取れる投資先がなくなった中で、新たな投資先として大阪に注目が集まっている。2025年の大阪・関西万博の開催を控えているほか、カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致や大阪スーパーティ構想など地域経済回復に向けた計画が相次いでいる。

意見公募中の「大阪府・大阪市スーパーシティ構想案」では万博とIR、うめきた2期開発を起爆剤に圧倒的な人口集積と世界有数のグローバル都市を目指している。自民党・大阪市会議員団は、次世代交通システムやIoTによる遠隔型高度医療システム、市民参加を促す域内通貨などを盛り込んだ構想を掲げている。

IRについては、政府が10月から自治体の整備計画の申請受け付けを始めており、大阪府・市、和歌山県、長崎県が申請の意向を表明済みだ。政府は最大3カ所を選ぶ予定。

大阪府と大阪市では、大阪湾の夢洲での計画を予定しており、9月末に米国のMGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスの共同チームを選定したと発表している。初期投資額として1兆800億円を投じて2020年代後半に開業したいとしている。経済波及効果については年間7600億円以上を見込んでいる。

けんびや入稿②
新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が続いていたことで酒類を出す店は業績悪化が続いている。これからは酒類提供の時間がいつ全面解除されるのか、訪日客がいつもどるのか。コロナ前の水準まで回復するのが待たれる。(写真は道頓堀界隈の路地裏の飲食街、コロナ感染前に撮影)

シャッター閉めた店舗不動産は狙い目か

こうした大阪固有の原動力がどの程度まで実現性があるのか、不動産市場に波及するのかは未知数ではあるものの、地元経済界はそこへの期待は大きい。日本に世界の金融ハブをつくる国際金融都市構想など大阪の街のポテンシャルを引き上げる取り組みが事欠かない。

もともと大阪は人を呼び込める潜在能力は高い。コロナ前がそれを証明していた。コロナでダメージの大きかったミナミも然りで人を集める力はこれまでに実証済みである。

約半年の緊急事態宣言が明けたばかりで戦々恐々の状態が続いているが、現状、感染者数は減り続けている。ワクチン接種の効果に加えて、今後経口薬の流通が進めば、店舗での酒類提供時間に制限がなったり、海外渡航の解禁など経済の正常化への道筋が見えてきそうだ。

もちろん予断は許さないが、そこに向けての投資活動は既に始まっていると見ていい。「例えば、ミナミの収益が大きく低下していることを絶好のチャンスとして捉える投資家は少なくないだろう」(心斎橋の不動産会社)。

特に海外の機関投資家の動きは速いので、個人投資家としては、国内外の投資家、特に外資マネーが大量に流入して取引価格の相場がつり上がる前に投資物件を探しておきたいところではある。

立地が悪くないのにコロナ禍の人流抑制、営業時間の自粛で撤退を余儀なくされシャッターが閉まっている店舗などが目立つが、そのような物件がこれから収益を生み出す可能性は高いかもしれない。

                                                 株式会社寧広