区分の生き字引「芦沢晃」と街散歩、1Rマンションの見極め方 中古1R59室を保有する「区分のプロ」芦沢晃さんが、物件チェックに役立つポイントを解説!

不動産向け融資が厳しい中、比較的低価格で購入できる中古ワンルームマンションの購入を検討する人もいるのではないでしょうか? しかし、安易に購入してしまうと、修繕費など思わぬ費用が発生してしまう恐れもあります。

そこで今回は、有名投資家が街歩きをしながら、外観から分かる物件のチェックポイントを紹介。解説してくれたのは、中古ワンルームマンション59室を保有し、年間家賃収入は3600万円にも上るというベテラン大家の芦沢晃さんです。

この記事では、すでに公開中の以下の動画の中から、物件チェックに役立つポイントをピックアップしてご紹介していきます。

中古ワンルーム59室の大家が解説、チェックポイントは?

今回芦沢さんが訪れたのは、東京都のJR立川駅周辺。立川駅はJR中央線の乗降客数が東京と新宿に次いで3位で、西東京の代表駅です。そんな立川駅から徒歩10分程度、賃貸物件が立ち並ぶエリアを歩いていると、さっそく芦沢さんが動き出しました。

芦沢さんが確認したのは、「ゴミ収集場」。「ゴミ収集場の管理状態から、入居者のモラルが分かる」と話し、ゴミが散乱していないか、ゴミ出しのルールは守れているかなどを確認していきます。

「あまりにもゴミが散乱している物件は、購入後に入居者クレームなどのトラブルが起こる可能性もあるため、できるだけ購入しないようにしています」(芦沢さん)

たまたま見かけたマンションのゴミ収集場。「この物件に住む入居者さんはルールをしっかり守っている様子ですね。ゴミ収集場が綺麗に使われているので問題ないと思います」と芦沢さん

次に芦沢さんがチェックしたのは、建物外構によくある植栽です。雑草が生えたままになっていないか、樹木の手入れは施されているかを見ていたようです。

植栽を綺麗に保つためには、専門業者に手入れを依頼する必要があり、当然費用が発生します。この費用は管理組合の修繕積立金から出しますが、「マンションの修繕積立金が枯渇しているような場合には、入居者の生活に大きな影響は与えない、植栽の手入れなどは後回しにされがちです」と芦沢さん。

つまり、植栽がきちんと手入れされているということは、修繕積立金が不足している状況ではないと推測ができるのだそうです。

潤沢な管理費・修繕積立金がないと、突発的な修繕が発生した際、余計な費用が発生する恐れもあるため注意が必要だと言います。

このマンションは「植栽が手入れされてるので、管理費や修繕積立金に余裕があることが推測できます」と芦沢さん。雑草があちこちに生えたままになっている場合は、管理が行き届いていない可能性も

そのまま街歩きを続けると、エントランスの窓ガラスが破損しているマンションがありました。これを見た芦沢さんは、「共用部にある窓ガラスが割れたり、自動ドアが故障したりしている場合には、管理組合の保険を適用して直すか、修繕積立金で修繕するんです」と解説。

そのため、「物件の購入をする際には、管理組合が加入している保険の内容にじっくりと目を通してほしいですね」と芦沢さんは語ります。

「物件を紹介してもらった仲介会社に相談すれば、その物件の保険証書や、修繕積立金の積み立て状況などの詳細資料を持っていることがあります」と芦沢さん。物件を購入する前に管理会社に相談し、どのような保険に加入しているのか、修繕積立金はいくら貯まっているのかなど、詳細資料を確認しておくようにしましょう。

共用部分の窓ガラスが損傷している物件。このような場合は、管理組合が加入している保険から費用を出すようにする

区分マンションを選ぶ上での注意点

投資歴26年という芦沢さん。これまで多くの区分マンションを見てきた経験をもとに、購入する区分マンションを選ぶ上での注意点についても話してもらいました。

まず芦沢さんは「収支をきちんと確認することが重要です」と言います。

例えば、築年数が浅いマンションは、立地が良く見た目がきれいなことも多いため、初心者が購入しがちだと指摘。こうしたマンションは、購入当初は家賃が周辺相場よりも高く得られることが多いです。

ただし、築年数が経過すれば徐々に家賃が下がり、修繕積立金が徐々に上がっていく傾向にあります。購入金額や諸費用以外に、将来発生する恐れのある修繕費用もシミュレーションに盛り込んだ上で、購入前の段階で収支を確認する必要があると芦沢さんは言います。

また、「周辺の競合物件の調査を怠らないようにしてほしい」と呼びかけます。その際、注意したいのは競合物件の選定。「中古ワンルームマンションの競合は、周辺の古い木造戸建てやコインパーキングなども含まれるので、中古マンションだけの調査では不十分」なのだそうです。

相続などをきっかけに、木造戸建てやコインパーキングが賃貸アパートになるなど、いつの間にか競合物件が誕生することもあると話します。

街を歩いている際中にも、新築アパートの建築工事が行われている場所が

一方、案外見落としがちなポイントですが、災害リスクは十分に調べておく必要があるという芦沢さん。例えば、今回見た立川エリアには『立川断層』という活断層があります。

こうした活断層のあるエリアにある物件を買った場合、地震が起きた際に大きな影響が出る可能性も考えられます。そのため、「活断層があるエリアで物件を購入する際は、管理組合が加入している保険証書を確認して、地震保険に加入しているのかといったチェックも重要でしょう」と話しました。

「地理院地図」から引用 赤い線が立川断層。芦沢さんは物件を購入する際、地盤の確認は怠らないという

不動産投資にはさまざまなリスクがあるため、エリアや時期など「広く分散する必要がある」と芦沢さん。

不動産投資をする上では、震災リスクや競合が乱立することによるリスクなど、長期スパンでさまざま検討しなくてはなりません。そのため、「場所(購入エリア)や時期(購入タイミング)などを分散することで、リスクを減らしていくことはできます」と指摘します。

また、芦沢さんはこれから不動産投資を始めようとする人に向けて、「建物全体の将来の修繕はどうなるか、修繕積立金で修理できるか、管理組合に修繕積立金はあるかなど、多くのことを見極めた上で、投資判断をしていただければと思います」とアドバイスを送りました。

                                                 株式会社寧広