初心者投資家に朗報!住宅リノベーション講座、全国の公的機関で募集中

不動産投資の方法で、「安い古家を買って、リノベーションして見違えるようにして、賃貸したり売却する」ということをやられている方を多く見受ける。

このリノベーション、業者にやってもらうにせよ、自分でやるにせよ、どのくらいの労力とお金を要するのものなのだろう。不動産投資に踏み出すときに、恐らく最初に思うことではないだろうか?

経験を積まれた投資家の方は、内覧の段階で、ここはこう直して、このくらいの材料費が掛かってと、パッパっと計算されて、じゃあ指値はこのくらいで、とされているのであろうが、最初の一歩の投資家はここがそうはいかない。

何しろ、不動産は一軒一軒違うのである。つまり応用問題である。もちろん業者に同行してもらって見るのが確実ではある。だた、自分でもやってみたい!とか、出来るだけ経費を削減したい(だから自分でも少しやってみたい。)とか思う場合には、どのようなアプローチがあるのか。

一つは、YouTubeなどでイメージをつかむ、ということが思い浮かぶ。あと、SNSなどで「リノベをするから集まれ!」というイベントに行く、というのも実践的そうだ。

リノベーションスクールを開催している会社もある。株式会社リノベリングは、リノベーションまちづくりの概念で行政とも連携しつつ全国各地で参加型リノベーションスクールを行っている。内装だけも出来るようにと、いう希望ならば、女性好みの素材を扱う株式会社夏水組では、「内装の学校」を定期的に開講している。

もう少し本格的に、あるいは体系的に学びたい場合。それには職業訓練校がある。4月開講の学科で募集中のところもある。あまり馴染みがないかも知れない職業訓練校について紹介したい。

実は、「住宅リフォーム」と看板を掲げてい学科を設けている学校が多数あるのである。「住環境リノベーションコース」(神奈川)、「住まい点検サービス科」(兵庫)、「エコ住宅リフォーム科」(富山)、「木の家づくり科」(宮崎)など、より特徴を出した名称の場合もあるし、「建築科」といった以前からの名称のままでも、カリキュラムを見れば、リフォームやリノベーションの需要に対応した内容を取り入れているのがわかる。

職業訓練校は各都道府県にある。都道府県が運営している学校と国(独立行政法人高齢・障害・雇用支援機構)が運営している学校がある。どちらも設置の目的は就業支援。なので、願書を出すには、まず地元のハローワークに行くことから始めないといけない。しかし、主婦の方のような雇用保険の対象者でない方にも開放している学校も多く、その場合は、直接、学校に願書を提出する。

また、技術を身につけて就職しましょう、ということであるので受講期間は相応にある。短い学科は6ヶ月、長い場合は2年に及ぶが1年というのが多い。恐らくこの受講期間がネックとなる方が多いかも知れない。国が運営している学校の住宅リフォーム科は6ヶ月程度のものが多く、託児所も用意されている。

また、自己負担額は、これも学校によって異なるが、教科書と作業着等だけのところもある一方、2年間になると20万円~30万円程度が必要な学校もある。

具体的に東京都の職業訓練校について紹介しよう。

東京都は、住宅リフォームに関する学科は複数あって、「住宅リフォーム科」(立川)では在来軸組工法について、マンションに特化した「マンション改修施工科」(品川)、内装に焦点をあてた「内装施工科」(飯田橋)はいずれも6ヶ月間。4月開講の講座は締め切っているが、「住宅リフォーム科」と「マンション改修施工科」は、3ヶ月ごとに開講するので慌てる必要はない。ちなみに年齢制限はない。

実際にどのような内容を訓練するのか、それぞれの学校では募集期間中に説明会を数回開催している。実習場で作業中の様子が見学できて担当の指導員の方が説明されるし、受験にあたりどこがポイントかなどの話しもある。日程が合わなくても個別対応もしており、もし入学を希望されるならば、是非出席されたい。

入学にあたり、筆記試験と面接がある。筆記は中学生レベルの漢字と数学で基礎学力の確認であるが、分数やルートの計算とか補助線を引くとか、とんとご無沙汰な内容が含まれるので、公表されている過去問には目を通しておいた方がいいだろう。

「住宅リフォーム科」(立川)については以下の通りである。

負担は、教科書と作業服一式で合わせて15,000円程度。雇用保険受給対象者ならば、交通費の負担はない。

カリキュラムであるが、最初の実習は大工作業で、ノコギリとノミを使っての木組みの継手の製作である。「腰掛蟻継ぎ」など釘を使わないやり方で二本の木を継ぐ。墨出しもここで習う。

最初の1ヶ月目に、携帯用丸のこ盤の取り扱いと、自由研削砥石の講習があり、労働安全衛生法による修了証がもらえる。また、給水管の実習も始まり、座学では建物の構造についての講義や作業工程表の作り方なども始まる。

給水管はハンダ付けをし、水漏れがないか確認する
給水管はハンダ付けをし、水漏れがないか確認する
下地を組み当てた後に左官をやる
下地を組み当てた後に左官をやる

2ヶ月目になると、軽量鉄骨ブースを使っての下地作りが始まる。いよいよ脚立とインパクトドライバーを使った作業となる。製図用具を使った手書き図面を作ったり、見積書の作成実習も並行して走る。3ヶ月目は、前月に作っていた下地にいよいよパテ塗りをして、クロス張りと左官作業となる。新しくCAD(Jw-CAD)による製図と電気設備の実習が加わる。

クロスとタイルを貼る実習は各自のブースで一人で作業をする
クロスとタイルを貼る実習は各自のブースで一人で作業をする。上の部分は漆喰の模様。

翌月も、電気、CAD、配管、タイル、床仕上げなど作業が組まれ忙しく、幅木廻り縁、天井下地、クッションフロア、エアコン取り付け、トイレと洗面の設置作業など盛り沢山の課題をこなして、最後の模擬家屋の実習に向け徐々に導かれていく。

なお、電気関係は低圧電気取扱の教育終了証はもらえるが、大半の時間は、第二種電気工事士の実技試験で提示される13課題をマスターするのに費やされる。また、空調関係の実習はあるが、ガス関係はない。

一通り終えた後は、総仕上げとして模擬家屋をみんなで制作して晴れて卒業となる。この模擬家屋実習は、「住宅リフォーム科」の華であり、6ヶ月の実習の成果でもある。

模擬家屋の制作は、土台、柱、梁などしか無い、いわゆるスケルトン状態から、自分たちで設計して、校内にある材料を使って自分たちで施工する。広さは12.5平米程度で狭いが、その空間に用意されたトイレ、洗面、キッチンは最低限設置することが施工条件となっている。これは15人が2班に別れて同時に行う。

15人は左右それぞれのブースに分かれて完成させていく
15人は2班に分かれ左右それぞれのブースに分かれて完成させていく
和風の雰囲気にした完成した模擬家屋
和風の雰囲気にした完成した模擬家屋
どうしても階段をやってみたいとキッチン横に物入れ風に製作
キッチン横に階段風の物入れが置かれた

そして模擬家屋は施工するだけでなく、施工についての報告書の作成も必要である。

報告書は、図面ならば室内パース図から平面図に展開図、給排水にはアイソメ図、電気は複線図まで作成、更には、使用した部材の積算書、工程表、作業日報、工事記録写真、竣工検査チェックシート、竣工写真など、「施主に提出する書類一式」を想定した内容の作成が求められる。

このように、職業訓練校は、時間さえ取れれば、であるが、広範囲に学ぶことが出来る。かなり自信になるだろう。それに、授業以外の質問にも、講師の先生は現役の職人であることも多く、熱心に教えてくれる。

不動産投資をやる前にリフォームを学ぶか、やりながら学んでいくか。

それでは、「ご安全に!」(現場の方々が朝の打ち合わせ終了時にする挨拶の言葉)

                                               株式会社 寧広