五輪後どうなる?中古マンション値上がり中!東京五輪後も変わらない?晴海フラッグ再開も影響小か

晴海マンション

東京都の中古マンション5711万円、12カ月連続プラス
6月は首都圏、近畿圏、中部圏いずれも中古が上昇

東京五輪が開幕し、ほとんど会場で無観客試合ながらも日々、日本人選手が奮闘している。金メダルの獲得数が積み上がっているのはうれしい限りだ。

東京五輪の経済効果はこれまでさまざま言われてきたが、8月8日に閉幕後、不動産市況はどうなっていくのだろうか。

中古マンションなどの価格動向を調査している東京カンテイの井出武上席主任研究員は首都圏などで続く価格上場の流れは「五輪後も当面、変わらない」との見方を示す。9月にも再開される選手村の高級マンション「晴海フラッグ」の販売再開なども大きな影響はなさそうだ。

まずは東京カンテイが発表している調査をみてみよう。

東京カンテイのプレスリリースから
東京カンテイのプレスリリースから
東京カンテイのプレスリリースから
東京カンテイのプレスリリースから

7月20日発表の「中古マンション70㎡価格月別推移」によると、今年6月の首都圏の中古マンション価格は全域で堅調さが続き、前月比1.7%増の4114万円で続伸した。前年同月と比べても、2カ月続けて10%以上のプラスを記録した。

とくに東京都は前月比0.7%増の5711万円で12カ月連続のプラスとなった。前年同月と比べると12.6%増だった。23区だと前月比0.4%増の6329万円で、こちらも12カ月連続のプラスだ。

近畿圏も、大阪エリアが引っ張る形で前月比0.6%増の2579万円。8カ月連続の上昇だ。大阪府は2.1%増の2829万円と5カ月連続のプラスとなった。

中部圏は1.3%増の2073万円、このうち愛知県は0.4%増の2170万円。2カ月ぶりにそろって上昇した。

「とくにマンションは、需要と供給のバランスでいうと、需要のほうが大きい状況になっている。投資系の人、富裕層、(夫婦合わせた収入が高い)パワーカップルなどが買っている。新型コロナウイルス感染拡大の影響はほとんど出ていない」

井出氏はこう語る。

インフラ開発による資材高騰などでマンションすでに値上がり
歴史的な低金利は五輪後も変わらず、不動産市況を後押し

五輪開幕に向けてのマンションの価格上昇については、建築費の高騰なども背景にあると指摘されてきた。インフラ整備の需要が高まり、建築資材や人件費が高まって新築マンションの価格が値上がり。買えない人が中古マンションを求め、中古の価格も上がる、という構図だ。

東京五輪のスタジアム
東京五輪のスタジアム

ただ、井出氏は「五輪が終わっても、すぐに市況に大きな変化は出ないと思う」という。

投資系や富裕層、パワーカップルなどによるマンション需要を阻む要素が見当たらない上、歴史的な低金利が続いているからだ。金利が高いか低いかはローンや融資の返済額を左右する。

井出氏は「五輪が終わることよりも、金利の動向のほうが重要ではないか。五輪後、政府はコロナで冷えた経済を高める政策を打ってくるはず。(景気を冷やす要因になる)金利を引き上げる政策は打ち出さないだろう」と説明する。

今年秋には行われる衆院選を意識し、政府が再び大規模な経済対策を打ち出す可能性は高い。日本銀行も歩調を合わせて、市場にお金を出回りやすくするための金融緩和策を続けるはずで、マイナス金利政策が維持されるだろう。

「今の低金利政策は不動産市場に大きな効果をもたらしている。低金利政策が続く限り、不動産市場をめぐるシナリオは崩れない」

もっとも、海外の動向にはいくぶん警戒が必要だとする。

たとえば米国では、コロナからの景気回復に伴い、物価が継続的に上昇するインフレの懸念が高まっている。過熱感を冷やすため、いずれ米連邦準備制度理事会(FRB)が金利を引き上げれば、日本に影響してくる可能性もある。そういう意味では、海外の経済動向に要注意だ。

選手村「晴海フラッグ」の販売が9月にも再開
計画的に販売され市況への影響は軽微か

ところで、最近の五輪関連の不動産に関しては、五輪とパラリンピックの選手村用である大型マンション「晴海フラッグ」が販売再開されるニュースが話題になった。再開は9月からにもなる予定だ。

販売が再開されるのは分譲される4145戸のうち、新型コロナで凍結されていた約3200戸だ。

三井不動産、三菱地所など大手が協力して東京・晴海の人工島に整備してきた同マンションの価格は最大で2億円を超える見込み。しかし、坪単価は千代田区、渋谷区など超一等地のマンションよりも安い。

この「晴海フラッグ」の販売再開についも、井出氏は「あまり重視しなくていいのでは」とする。

「供給業者に直接話を聞いているわけではないが」と前置きしたうえで、井出氏は「おそらく、一度にまとめて、たくさんの戸数を売りに出すわけではないだろう。計画的に分譲していくとのであれば、『供給過多による値下がり』といった市況へのインパクトはないはずだ」

井出さんのような専門家の話をしっかり参考にしながら、冷静に先を見極め投資戦略を立てていきたい。

                                                 株式会社寧広