不動産投資との分散投資先に有効?投資信託の購入はネット系証券会社が流行中:金融庁の調査レポートを解説New

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金融投資市場は
2020年の落ち込みを回復

金融庁は6月末に金融投資市場のモニタリング結果を公表した。

※参照:金融庁

レポートによると、株式投資や投資信託など金融投資市場は、コロナの影響が本格的に顕在化した2020年4月前後に落ち込みを見せた。

しかし、約1年が経過した2021年3月末には、各市場ともコロナ前を上回るほどにまで回復している。

各資産運用の状況
上がり幅が最も大きいのはS&P500となっている。

分析レポートでも、コロナの株式市場等への影響は一時的なものであり、金融商品の販売環境としては良好な状況が続いているとされている。

しかし、各資産が上向きに推移している一方で、金融機関ごとの預り資産残高はそれほど大きな伸びを見せていない。

金融機関ごとの預かり資産残高
預り資産残高はコロナ前の水準まで回復したまでに止まっている。

預り資産残高が伸び悩んでいる要因としては、投資元本が縮小していることや、継続的な資金流出が起きていることなどが挙げられている。

市場は上向きに推移しているものの、投下する自己資金を減らしている人や、資産の入れ替えを計る人などが増えていると言えるだろう。

若年層によるネット系証券会社の
利用が増加傾向に

金融機関の種別に保有顧客数の推移を見ると、特に大手証券会社は顧客を減らしている。

その一方で、ネット系証券会社だけは大きく顧客数を伸ばしている状況だ。

保有顧客数の推移
メガバンクや地銀はほとんど顧客数が伸びていない。

ネット系証券会社の顧客数は5年間で3倍以上に増えているが、対面販売の証券会社や銀行では、顧客数を減らすか維持するまでに止まっている。

ネット系証券会社は若年層や初心者を中心として顧客を増やしており、その顧客数は大手証券会社に迫る勢いだ。

保有顧客の年齢層を分析すると、銀行や証券会社とネット系証券会社との違いが特に顕著に表れている。

証券会社別年齢層
ネット系証券会社だけは20代の顧客を15を超えているが、ネット系証券会社だけは30歳~59歳までの顧客が約7割となっている。

そのほか、銀行や大手証券会社では20代の顧客をあまり獲得できていないが、ネット系証券会社だけは20代の顧客が15%を占めている点も特徴的だ。

若年層が金融投資を始める時に、ネット系証券会社は好まれやすいと言えるだろう。

多くの人は長期間を見越して
資産運用したい

ここまでは運用会社に関する設問が中心だったが、レポートには顧客に対する調査結果も記載されている。

資産運用に対するイメージ調査については、最も多かった回答は「価格変動に関わらず商品を長期間保有する」というものだった。

その一方で「少額の資金で始められる」という回答も多数あったことから、「少額の資金を長期間運用することで増やしていきたい」と考えている人が多いことがわかる。

金融機関の資産運用サービスを評価する理由として多かったのは「手数料が安かったから」「取引の利便性が高いから」というものだった。

手数料の安さが評価を集めていることから、少額の資金を運用したい希望はサービスの好みにも表れていると言えるだろう。

なお、運用期間に関しても「10年以上」もしくは「年数に関わらず長期間運用したい」と考えている人が多い様子が伺える。

運用期間に関するイメージ
20代~40代の人には特に、長期間の運用を希望する人が多い。

しかし、直近の取引時期を問う設問に対しては、半年以内と回答した人が全体の約4割を占めている。

20代~30代では特に45%を超える結果となっており、若年層には含み益が発生したとわかったタイミングで売却に動く人も多いと言えるだろう。

投資信託など金融投資商品は、相場次第ですぐに売却できる流動性の高さが利点でもある。

不動産投資と並行して進める分散投資先としては、投資信託も有効だ。