不動産小口化商品の幅に広がり。コロナ影響で郊外まで拡大New

動産の小口化商品がコロナ禍でも投資家から根強い人気を集めている。

マンション、オフィス、店舗ビルなどを一棟購入するには多額の資金が必要だが、小口化することでお気に入りの物件が購入しやすくなり、安定して分配金も得られる。

現在の低金利では、資金を銀行に寝かしておいても利殖作用は働かないし、Jリートなど上場投資信託でも小口化した不動産投資が可能だが、ここでは投資口価格(株価)の乱高下が激しく、コロナ禍で先行き不透明感を嫌って資金が投じにくい環境になっているなどの理由から支持を受けているようだ。

賃貸イメージ

不動産の小口化では、一つの物件に対して複数の人がお金を出し合って購入し、出資割合に応じて分配金が支払われ、それぞれ所有権や持ち分を所有することができ、実物不動産と同じように減価償却ができる。

不動産の価値(価格)は、経済情勢が反映されるものの、株価のようなジェットコースターのような値動きがないことも安心材料になっている。

都心部のオフィスや人気の住宅で
安定稼働を背景に商品化

このように不動産の一部だけを切り出して所有・投資できるスタイルは、本来なら投資をためらう数億円の販売価格であっても比較的投資しやすくなり、参加の機会が増やしている。投資額としては1口当たり100万円から参加できる商品が多い。

小口商品化を提供する事業者を見ると、たとえばサンフロンティア不動産では、東京都心部のオフィスビルを対象に1口100万円の小口化で資産運用商品として提案している。

株価のような値動きがないものの、同社では、「不動産は時価と評価額の差が大きいため、贈与・相続時に資産としての大幅な圧縮効果がある。小規模宅地の減額事例も適用できるなど高い資産圧縮効果が期待できる」と説明している。

フェイスネットワーク(東京都渋谷区)では、世田谷区や目黒、渋谷区の人気エリアで賃貸マンションの小口商品化を得意とする。6月7日に不動産小口化商品「Grand Funding<グランファンディング>三軒茶屋」の第3期の出資者募集を開始した。

対象物件は鉄筋コンクリート造3階建ての「GranDuo(グランデュオ)若林」(総戸数18戸)で満室稼働しているという。

2015年3月に竣工したもので、場所は東急世田谷線「若林」駅徒歩1分、東急田園都市線「三軒茶屋」駅も徒歩圏にある。1口100万円単位・5口500万円から任意組合型スキームで共有持分として投資する商品だ。

同社によれば、この物件の相続税評価額は現金で同額を相続した場合と比べて最大80%以上の圧縮効果が期待できるとしている。利回りは5.1%を想定。今年9月に組合組成し、運用期間は7年2カ月を予定。

茅ヶ崎で
〝物件からまちへの投資につながる〟小口化商品

都心部のオフィスビルや住みたい街ランキングの上位に顔を出す人気のエリアだけでなく、近ごろはコロナ禍の影響を映し出すような小口化商品が登場している。

人口密度の高い都市部を避けて地方や郊外に不動産需要が広がりを見せており、職場のある都心まで1時間を超える場所を拠点に選ぶ人が増えており、不動産を持つ許容範囲が拡大していることが背景として考えられる。

OIP
▲ユーミーらいふグルーブが手掛ける「パームラウンジ」

ユーミーらいふグループの湘南ユーミーまちづくりコンソーシアム(西山和成代表取締役)では、不動産特定共同事業法に基づく不動産小口化商品(任意組合型)として「まちシェア」第2号「Palm Lounge(パームラウンジ)」の発売を6月1日から開始している。1口100万円から出資できる。235口・2億3500万円を7月末までに集める予定だ。

大きな資金で一つの物件に投資するのではなく、省資金で地域の優良な不動産に分散投資できることの可能性を提案。地域・入居者・事業者・出資者が様々な形でつながることで地域の活性にもつながるとの思いも強い。

利益追求だけでなく参加型の不動産投資。イベントなどのコミュニケーションの機会を創出し、みんなが当事者として地域の輪を広げることで、物件からまちへの投資、そしてまちづくりへの投資に発展して、地域の価値を高める。社会性のある新しい不動産投資になっているという。

不動産の再生や価値創造に定評のあるブルースタジオが共同で展開する賃貸住宅のブランド「nezasu house(ネザスハウス)」シリーズの「Palm Lounge(パームラウンジ)」が対象物件だ。場所は神奈川県茅ヶ崎市柳島1575-43。

多拠点居住やワーケーション、テレワーク需要を取り込みながら心地よく共同生活できるシャアハウス型の空間をリノベーション物件で提供していく。共有部分と生活する場の自由度を高めてラウンジで仕事ができたり、居住者同士がウッドデッキでバーベキューできる。

各住戸はキッチン、トイレ、バス完備でプライベートな空間も充実させる。歩いて海まで行ける環境。サーフィンなどマリンスポーツなどが楽しめ、茅ヶ崎花火大会が夏には一望できるなどの環境メリットを生かして「海辺の日常と、仕事場」を兼ね備えた生活スタイルを小口化商品が後押しする形となっている。

不動産の小口化対象が幅を広げていることで投資商品としての幅も拡大している。ただ、留意点もある。

小口化商品ではレバレッジを効かせた投資ができない。普通に不動産を購入する場合には、自己資金が少なくても借り入れ(融資)により収益率の高い収益物件を購入できるが、複数の人が共同物件を所有することで、物件を担保にして金融機関から資金を引き出すことができないことは安定した所得や一定の貯蓄があり、自分で資金を拠出できる人が手掛けるべき商品と言えよう。

                                                  株式会社寧広