ポスト仮想通貨ブームとなり得るか、メタバースの歩き方

Facebook社が社名をMetaに変更するなど、最近、世間を賑わせているメタバースだが、2007年頃にも同様のメタバースブームがあった事はご存じだろうか。

米国リンデンラボ社が運営する「セカンドライフ」というメタバースがブームを起こしていたのだ。

セカンドライフ

セカンドライフとは、自分の分身であるアバターを使い、仮想空間でアバター同士のコミュニケーションや経済活動を行うことができるオンラインゲームだ。

今から15年ほど前の2006年~2007年にブームのピークを迎え、当時は週刊少年ジャンプに連載されていた「こちら葛飾区亀有公園前派出所」にも取り上げられるほど一般的であった(ジャンプコミックス 158巻「バーチャルライフの巻」に掲載)。

それ以前からメタバースと言われるものは存在していたが、セカンドライフが特徴的であったのは、ゲーム内通貨であるリンデンドルを使うことで、セカンドライフ内で経済活動が可能となった点にある。

こち亀の主人公、両津勘吉も、セカンドライフ内で不動産取引などを行うことにより大儲けしていた(しかし最後は・・・)。

その後、セカンドライフはネットワークの接続速度やパソコンのグラフィック性能等のスペックの問題、ユーザコミュニケーションの主体がSNSに置き換わってしまったことなどにより下火となっていった。
時代がまだメタバースを受け入れるほど成熟していなかったのだ。

メタバース 不動産投資家 未来の不動産投資 未来の投資 仮想通貨 初心者 仮想空間 
出典:写真AC

最近のメタバースブームとの違い

一旦はオワコンとなったメタバースだが、何故、ブームが再来しているのか。
以下のポイントが考えられる。

・ハードウェア等のデバイス性能の著しい発達

パソコンやネットワーク性能の向上は言わずもがなであるが、VRなどの新しい技術の発展が主な要因として挙げられる。VR技術が一般的となり、既に経験した方も多いと思うが、筆者は初めてVRを体験したとき、その没入感の高さから思わず絶叫してしまった。

VRを利用したメタバース上での生活は、リアルさの点からセカンドライフと比べると比較にならないほど高いものである。

・仮想通貨やNFT(Non Fungible Token:代替不可トークン)を利用した取引の安全性

仮想通貨が登場したことで、メタバース内通貨の換金性が大きく高まったと言える。
また、不動産取引などのメタバース内取引にNFTを利用することで、同じく取引の安全性が大きく高まっている。

NFTも最近、メタバースとともに取り上げられる機会が多くなったが、簡単に説明すると、NFTとはブロックチェーン技術(仮想通貨でも利用されている)を用いて作り出す唯一無二の証明書のようなものである。

実際の不動産取引でも土地の所有権を証明するために権利書が用いられるが、メタバース上で不動産の所有権を証明するためのものが、このNFTなのだ。

これらの技術の発達により、メタバースが再び見直されることとなったと言えるだろう。

メタバースの歩き方

それでは、実際にメタバースを体験するためにはどうしたら良いのか。

現在、Meta社(旧Facebook社)だけではなく、多くの企業がメタバースを立ち上げ、様々なメタバースが存在しているが、ここではソフトバンク社やスクウェア・エニックス社が投資をしている「ザ・サンドボックス」を例に説明する。

出典:SANDBOX公式HP
出典:SANDBOX公式HP

(1)仮想通貨取引所「コインチェック」での口座開設
まずは「ザ・サンドボックス」内で使用する仮想通貨SANDを購入するために仮想通貨取引所で口座開設する必要がある。

しかし、現在、国内の仮想通貨取引所では直接SANDを購入することが出来ない。ザ・サンドボックス内での土地であるLANDを購入するためには、SANDもしくはイーサリアムという仮想通貨を購入することが必要となるため、一旦、コインチェックなど仮想通貨取引所にてイーサリアムを購入する必要があるのだ。

(2)MetaMask(メタマスク)をインストール
MetaMaskとは、仮想通貨用のウォレットの一つ。ウォレットとは、仮想通貨を保管するための財布のようなもので、取引所で購入した仮想通貨を保管するためのものとなる。

もちろん、コインチェックにも口座開設者用のウォレットは用意されているが、ザ・サンドボックスのログインキーにもなるMetaMaskを利用することが一般的なようである。

(3)ザ・サンドボックスにログイン
ザ・サンドボックスの公式ホームページのログイン画面から、作成したMetaMaskを利用してログインする。

(4)LANDを購入
LANDとはザ・サンドボックス内における土地のことで、166,464個が発行数の上限と決められており、ザ・サンドボックス内のマーケットプレイスやCoincheck NFT(β版)でも購入することが可能となっている。
もちろんLANDを購入しなくてもザ・サンドボックスを体験することは出来るが、興味のある方は検討してみても良いだろう。

「コインチェック」の口座開設が必要など、若干の手間はかかるが、まずはメタバースを体験してみることも面白いかもしれない。

様々なメタバース

今回、一例として「ザ・サンドボックス」を取り上げたが、現在、様々な企業がそれぞれメタバースを立ち上げている。
そこで、メタバース内で不動産取引を考える場合、どのメタバースを選ぶのかを慎重に検討する必要がある。

かつては「セカンドライフ」内でも高値で不動産取引が行われていたが、衰退後は当然のように、かつての高値で売却をすることは不可能だ。
「ザ・サンドボックス」以外でも例えばMeta社がメタバースの主導権を握るべく、VRデバイスの開発やメタバースの立ち上げに相当な経営資源を注ぎ込んでいる。

今後、ユーザが増えていくメタバース、衰退していくメタバースの二極化が進んでいくことが予想される。
この辺りは実際の不動産投資と同じように、物件(メタバース)選定の目利き力が試される市場であることは間違いない。

                                                 株式会社寧広