コロナ禍も不動産投資額で東京が世界2位に。大阪も16ランクUPNew

コロナ禍で企業のオフィス縮小に対応する新潮流が生まれている。都心部の大型ビルで床を返納する動きに対し、自宅近くで仕事ができるサテライトオフィスを誕生させる動きだ。

今後、東京や大阪、名古屋など大都市で増える可能性があり、たとえ企業のオフィス縮小の動きを止められなかった場合でもサテライトが都心部の床面積縮小を補完するとの見方も少なくない。三菱地所グループでは、個室型のサテライトオフィスに参入することを決めた。

これは、コロナ禍でテレワークが推奨される中で、自宅の近くで仕事に集中できる環境整備を進めるもので、法人仲介を得意とする三菱地所リアルエステートサービスが空間の有効利用サービスを提供するpoint0(ポイントゼロ、東京都千代田区)と提携して展開する予定だ。早ければ今年の秋にも東京・立川に開設する。

年度内に第2号も開設予定だ。今後3年間で10拠点の展開を目指している。抗菌・抗ウイルス対応の個人特化の空間利用は、飲食・サービス業などコロナ禍で退去に追い込まれ空室となった建物の後継利用の仕方としても期待が集まっている。

新型コロナウイルス感染終息が見えずに経済への悪影響に懸念が及ぶが、日本の不動産に対する魅力は失っていない。不動産サービス大手のジョーンズラングラサール(JLL)がこのほど発表した世界の投資動向から見て取れる。

JLL①
▲都市別投資総額ランキング(2021年第1四半期) 出所:JLL

世界の商業用不動産に対する投資額は2021年第1四半期(1~3月)に1870億ドルとなり、前年の同じ時期との比較で13%減ったものの、都市別に投資額を見ると、1位の米国ボストン(80億ドル)に次いで東京が79億ドルで2位にランクインした。

そのほかトップ10には、ダラス・フォートワース、ロサンゼルス、パリ、ロンドン、フェニックス、アトランタ、シアトル・ベルビュー、上海の順番となっている。

ボストンの第1四半期トップについては、期中に高額物件の取引があったため、それが反映されたものだ。通年ではニューヨークなど例年の顔ぶれに落ち着くとの見方が強い。

投資マネーは東京と大阪に。
21年取引額は4.5兆円を予測

東京は2020年通年で3位だったが、第1四半期時点ではあるものの、一つ順位を上げた。

投資物件タイプで見ると、オフィスビルの割合が52%と半数を占め、2020年通期の32%から2割増やしている。

テレワーク、リモートワークの導入などで企業がオフィスの床面積を縮小したり、拠点集約で退去するなど〝オフィス不要論〟注目されてきたが、投資マネーの動きはオフィスの重要性が揺るがないとの見方を反映している。四半期ごとの割合でオフィスが半数を占めるのは2019年第1四半期以来だ。

地域別の投資額割合では、東京都心5区が42%を占めて2020年通年の29%から大幅にシェア率を拡大している。オフィスビルが多数取引されたことが要因としている。

不動産購入の属性では、Jリートによるオフィス取得が4389億円となり、全体の36%を占めている。2020年通年では32%だった。ビルの売買に回復の傾向が見られる。他のタイプでは、物流施設が2割弱のシェアで昨年から減少に転じているが、商業施設やホテルに対する投資の動きも出始めているという。

東京だけでなく大阪での投資額が膨らんでおり、大阪が15位と前年通期の31位から大幅に順位を上げている。

大阪圏では、アパグループがホテルWBF新大阪スカイタワーを取得したり、米不動産ファンド大手が近鉄グループからホテル8物件を取得するなどの動きがあった。

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▲海外投資家投資額推移 出所:JLL

一方、海外勢による不動産投資額は1~3月に2840億円となり、前年の同じ時期の5773億円から大幅に減少した。国内の不動産投資額に占める割合も23%と前年通期比や前年同時期に比べて34%減少となった。コロナ禍で海外渡航ができないことを映すが、投資機会を模索する投資意欲の高い海外勢は多いという。

東京五輪・パラリンピック開催が新型コロナ感染症にどのような影響を与えるかなど予断を許さないが、JLLでは、2021年は年後半に向けて不動産投資上は勢いを増して通年では前年とほぼ同水準の4兆5000億円の投資額になると予測している。

                                                  株式会社寧広