コロナ禍の融資状況”上場企業でも厳しい場合有””コロナ禍支援による黒字ではローン審査通過せず”New

緊急事態宣言による営業時間の短縮や外出自粛要請を受けて客足が遠のき観光、宿泊、飲食サービスなどの経営は大きな打撃を受けて個人の所得にも減収の波が押し寄せている。

2月5日に内閣府が発表した2020年12月の景気動向指数の速報値は87.8と前月比1.2ポイント低下して2カ月連続で悪化した。

同指数は2015年を100としたものだが、新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大により昨年春の緊急事態宣言解除後に徐々に出始めた景気持ち直しの動きが鈍っている。

◎ワクチン期待で厳しさ和らぐ

長引くコロナ対応で銀行の不動産融資にも分断現象が現れている。こうした社会情勢を受けて、住宅ローンオンラインサービス「モゲチェック」を運営するMFS(東京都千代田区)はこのほど、同社のサービスに各金融機関の住宅ローン審査に通る確率(融資承認確率)を推定できる機能を追加した。

同社にヒアリングしたところ、業種別では、飲食、宿泊、ドライバー(観光バスなど)、接客業、自営業などに対する銀行の審査目線は厳しくなっているという。ローン申し込みの際には源泉徴収票だけではなく、現在の給与明細書の提示を求めてくるケースが大幅に増えている。

インターネット銀行はローンの金利が非常に低く人気を博しているが、伝統的な店舗型の銀行よりも審査が甘いわけではない。

そこにコロナ苦境の職業であってもローン審査で承認を得やすかった店舗型の銀行の融資姿勢が変化してきている。

審査が通らない例としては、

「法人役員で、その会社の業績は黒字であるものの、給付金など新型コロナ対策の政府支援により黒字化しているため審査が通らなかったケースがあった。建設関連では東京五輪・パラリンピックの開催延期で企業業績が悪化するとの連想から不可になったローン申込者もいた。

航空会社やその系列の旅行会社、ケータリング事業者も審査が厳しくなっている。コロナ禍で審査が通過しない割合は10~20%ほど。ただ、各国でワクチンの開発が進んでいることでワクチン接種の期待などから金融機関の融資姿勢がこれまでの厳しさが和らいできている」

と見ている。

◎不動産投資では高値掴み厳禁

同社では、不動産投資向けローンサービスも展開しており、収益不動産向けの状況として、実需との比較で金融機関の姿勢にそれほど違いはないとするものの、

「融資対象物件がどの程度のキャッシュフローを生み出すか。収入と借り入れ返済のバランスを見て判断している。(そこがしっかりしていれば)初めての投資案件であっても極端に審査が厳しいこともない。ただ、不動産価格が高騰している中で、高値掴みの場合は審査が通過しないことが珍しくない」

とも指摘する。

前述のようにコロナ対策の政府支援によって助かっている事業者は少なくない。

東京商工リサーチによれば、2020年12月度の全国企業倒産(負債額1000万円以上)は558件(前年同月比20.7%減)となり、件数ベースでは1989年の493件に次ぐ過去50年間で2番目の低水準だった。

コロナ対策で政府・自治体、金融機関の支援策が効き、7月から6カ月連続で前年同月を下回っている。

景況感に楽観的な見方がしづらい中で、景気浮揚策として市中に大量に緩和マネーを流している。それがいま不動産にも向かって、株高だけでなく不動産価格も高騰してバブルを演出している。不動産投資家にとっては、物件が生み出す収益が確かであるかどうか、資産価値の判断がこれまでに以上に求められている。

                                               株式会社 寧広