コロナ禍で変化した「住宅に求める条件」から、投資のヒントを読み取る!

在宅勤務時の場所の確保と感染対策が重要
投資先や入居率アップのヒントを読み取る!

2020年から始まったコロナ禍により、我々の働き方や暮らし方は大きく変わってしまった。そして、緊急事態宣言や在宅勤務など、今まで以上に家にいる時間が長くなることで住宅に対する意識も変化し始めている。

この新型コロナによる混乱は、将来的には収束すると思われるが、働き方や暮らし方が、全く以前のように戻ることはないだろう。

そのため、今後の不動産投資において、リモートワークや在宅勤務の促進が、住まいに対する意識をどのように変化させたのか把握しておくことはとても重要だと考えられる。それは貸しやすい住まいの見極めや、入居率アップ、投資先の選定などを考える上での参考になるからである。

そこで、2021年2月にリクルート住まいカンパニーからプレスリリースされた「2020年、新築分譲マンション検討者意識調査」から住まいに対する意識の変化を読み取ってみた。

ヒントになるポイントは2点

1・リモートワークや在宅勤務、オンライン授業などに対応できる場所の確保
■自宅でワークスペースを確保する場合
・間取りのプチリフォームやワークスペースを創出することで住戸内の快適さを追求する
・広い家、部屋数の多い住宅に住み替える(戸建ての需要も増える)
■自宅以外でワークスペースを確保する場合
・自宅とは別の場所にワークスペースを確保する(ワンルーム、コワーキングスペース、レンタルルーム)
・ZOOMやユーチューブなどのSNSを配信しやすいレンタルスタジオ など

リモートワークや在宅勤務など、会社以外で仕事をする人が、これからも増えていくと思われるので、投資するネタとしてはいろいろと考えられそうである。但し、ホテルが客室をワークスペースとして時間貸しをしたり、駅にコワーキングスペースを作るなど、様々な取り組みが始まっているので、地域や周辺施設などの状況把握が重要である。

2・感染対策などの強化

新型コロナが収まると、少し意識は低くなってくると思うが、今後新しい感染症が出てくる可能性もあるので、引き続き感染対策は必要。また、人との接触を減らす接客(コンビニや飲食店)も加速すると思われるので、宅配ボックスなどの充実や人と接しない管理サービスなどのニーズはさらに高まっていくだろう。

そして、リスクに対する意識も高くなっているので、不安を解消する対策をすることで評価を得られる可能性が考えられる。

以下、各調査項目について考察してみる。

在宅勤務率は61.7%、首都圏の比率が高い
国の推奨もあり、流れはさらに加速する

在宅勤務率は全体で61.7、関西圏58.1と、在宅勤務をしている人の比率は、首都圏のほうが高い傾向にある。

これからも在宅勤務が続くと予想している人は77.0以上の人が、今後も続くと予測している。

テレワークなどによる在宅勤務は、もともと国が推奨していたこともあり、今回のコロナ禍が収まっても、この流れはさらに加速していくと考えられる。

また、学校や塾のオンライン授業があるのは59.8と高くなっており、今後オンライン授業は、教育のひとつのスタイルとして定着していくことだろう。

つまり、会社や学校以外で、仕事をする、授業受けるということが普通になるので、そのための場所の確保が必要になるということである。それが自宅なのか、コワーキングスペースなのか、レンタルスペースかはわからないが、そのスペースの確保というところに、何らかの投資ニーズがあるのは間違いないだろう。

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在宅勤務時のワークスペース1位はリビング
勤務用のスペースが自宅にないのが現状

在宅勤務時は、どこで仕事をしているのだろうか?

■在宅勤務時のワークスペース、トップ3
1位:自宅のリビング
2位:自宅の寝室
3位:自宅の空いていた部屋

自宅のリビングをワークスペースとして利用している人が圧倒的に多い。また、マンションなどでは個室=寝室ということが多いので、個室を使いたければ寝室になってしまうのだろう。他には、共用スペースや、自宅の収納やクローゼットなどを改修したスペース、自宅以外の喫茶店やリモートオフィスなどを利用する人もいる。
また、単身世帯では、広さや部屋数の問題もあり、自宅のリビングというのが77%と非常に多い。
つまり、在宅勤務に適したスペースが家の中にはほとんどないということがわかる。

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ワークスペースとしての環境が整っていない
気分の切り替えが難しいなど、様々な不満が

いろいろ工夫して確保したワークスペースだが、どんな不満があるのだろうか?

■ワークスペースの不満トップ5
1位:気分を切り替えるのが難しい。
2位:机の高さやPCモニターの大きさなどの仕事の環境が整っていない。
3位:必要書類を広げるスペースがない。
4位:WIFI環境が整っていない
5位:部屋の広さが不足している

このアンケート内容から見ても、準備や環境が整わないまま突然始まった在宅勤務により、慣れない働き方に戸惑っていることがわかる。
今までは、職場と家とでオンとオフの切り替えができていたのが、同じ場所での気持ちの切り替えができないのが一番の不満になっている。つまりワークスペースは確保できても、広さをはじめとして、仕事をするための快適な環境が整っていないのである。(不満がとても多い)
また、子供がいる世帯では、「子供や家族、来訪者がいてWEB会議や電話会議がしずらい、仕事に集中できない」という生産性に対する不満がとても大きい。家族数が多いほど、悩みも多くなっているようだ。

ここから考えられる解決策は3つ。
1) 工夫して、できるだけ快適なワークスペースや環境を確保する
2) より広い住まい、部屋数の多い住宅へ住み替える
3) 自宅以外で快適なワークスペースを確保する

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感染対策の必要度が上位に
通信環境や宅配ボックスの充実もポイント

では、住まいに求める条件の変化で必要度の高いものは何だろうか?

■住宅・住宅設備の必要度の変化トップ5
1位・通風・換気機能に優れた住宅であること
2位・通信環境が充実していること
3位・宅配ボックスが充実していること(マンションの場合全戸分あることなど・・)
4位・除菌対応エレベーターがあること
5位・感染対策が取られた設備があること(除菌対応換気システム、玄関近くに洗面所など)

感染対策に関する項目が必要度の変化の上位に来ていることがわかる。特に3位の宅配ボックスは、ネット通販などでの買い物が増えていることが大きな要因となっている。

利用してみると意外と簡単で便利、感染対策にもなるということで、宅配については利用者が多くなることが予測される。

最近のマンションでは、各住戸の玄関前に宅配ボックスを設置しているものや、冷凍食品を受け取ることができるものなど、さらに進化している。

また、7位の「遮音性に優れた住宅であること」については、WEB会議などの声が外部にもれないことに加え、同じ住宅内においても求められている。賃貸住宅などでは、音のトラブルが増えているので、音に対するケアは重要な要素と考えられる。

10位の「省エネに優れた住宅であることなど」というのは、家にいる時間が長くなることで、光熱費などが高くなっていることが要因と考えられる。

必要度が上がっている項目については、今後のリフォームや空室率改善のアイデアとして使える可能性が高いだろう。

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安全・安心に対する意識の向上
徒歩圏で生活が完結できることが重要

住みたい街の条件はどのように変化したのだろうか?

■住みたい街の条件の変化トップ5
1位:病院や診療所、介護施設が充実している
2位:防災対策がしっかりしている
3位:歩く範囲で日常のものはひととおりそろう
4位:徒歩や自転車での移動が快適
5位;散歩やジョギング等がしやすい

住みたい街の条件としては、医療施設の充実や地震や台風などの防災対策などが上位に来ていることから、リスクに対する意識が高くなっていることが読み取れる。また、徒歩圏や自転車圏内で生活が完結できる生活施設の充実がより重視されているようだ。

今後もコンパクトシティの流れは進んでいくので、徒歩圏での生活環境が充実している場所の評価がさらに上がると考えられる。

駅距離と通勤時間だけでなく、生活のしやすさや安全性など、入居者募集の際のアピールポイントを再整理してみるといいだろう。

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今後の投資のヒントになりそうな項目をいくつかピックアップして解説してきたが、コロナ禍でリモートワークや在宅勤務が促進されることによる変化をどう捉えていくかがとても重要であることが認識できた。

大きな変化は、新しい価値を生み出すことにもつながる。今まで、投資先として有望でなかった地域や商品が再評価されることもあるので、この変化の傾向を読み取り、投資のヒントにしていただきたい。