オンラインでも安心の立地。2020年からハワイの不動産取引件数約2倍に増加。価格も年々上昇、長期保有で売却益もNew

ハワイの不動産が前年比2倍という売れ行きだ
ハワイの不動産が前年比2倍という売れ行きだ

ハワイの不動産が売れている。リストサザビーズインターナショナルリアルティによると2021年の不動産取引件数は2020年と比べて約2倍に増加したというのだ。コロナ禍で現地を見ることができず、オンラインでの取引にならざるを得ないにも関わらず、この活況。理由を聞いた。

ハワイには馴染みのある人が多数

ハワイ不動産活況の背景にはいくつか、要因がある。リストサザビーズインターナショナルリアルティの青木氏によるとまず、大きいのがハワイという日本人に馴染みのある立地であるという点。

「ご購入者の大半はこれまでにハワイを訪れたことがある、中には何度も定期的に訪れているなどで非常に詳しい方もいらっしゃるほどで、住所からどんな場所かが分かる、だから現地に行かなくても安心してご購入いただけるという状況です。

海外へ行くといってもハワイなら約6時間と近いのでハードルが低く、どなたにも好まれ、いろいろな楽しみ方ができます。日本人フレンドリーな土地柄で日本語も通じることが多い。東南アジアも距離は近く、すてきな場所ですが、食事その他に特徴があり、万人向けとは言い難いところもあります。

でも、ハワイならリタイア層でも、子どもにも楽しめ、ご購入者の中には海外で孫と過ごすならハワイという声もありました。

そのため、コロナ禍初期には様子見で神経質な状態でしたが、昨年はそれを感じない状況で驚くほど購入問い合わせが多く寄せられました」。

安心して買える、貸せる状況も後押し

物件として安心して買えるものが多く、かつ買った後に貸したり、売却したりがしやすい点も評価されている。

すでに複数のタワーが建設されており、それぞれに魅力が異なるのだとか。これはKoulaというタワーの住戸
すでに複数のタワーが建設されており、それぞれに魅力が異なるのだとか。これはKoulaというタワーの住戸

まず、物件で昨年よく売れたのが大規模開発「ワードビレッジ」内にある新築コンドミニアム。これは日本人観光客にはおなじみのアラモアナショッピングセンターすぐ西のカカアコ地区約7万坪にコンドミニアムや大型商業施設、オフィスなど数多くの施設が今後約20年に渡り開発されるというもの。

住戸だけでなく、プールその他の共有施設も充実しているのが魅力
住戸だけでなく、プールその他の共有施設も充実しているのが魅力

コンドミニアムは全体で14棟建てられる計画で、2016年からの開発ですでに5棟が完成しており、今後の開発予定などが適宜発表されていることから全体の街づくりがイメージしやすいのも利点。

「弊社が長年にわたりプロジェクトセールスを担わせていただいた、全米屈指のデベロッパー「ザ・ハワードヒューズ・コーポレーション」が手掛けており、Architectural Digestにて、全米の開発プロジェクトの中で第1位に認定されたほどの開発。今後ハワイの新たな中心になると期待の高いエリアです。その意味では買って外れのない立地、物件と言っても良いのではないでしょうか」。

中古物件の場合は質、設備などが築年数や使用状況によって異なるため、現地とオンラインで直接生中継をして現地を見ていただくというやり方をしているそうだが、新築ならそれも不要なのである。

こうした物件の場合、完成まで3年ほどかかるが、その間に状況が変わることもしばしば。最初は別荘のつもりで購入したものの、完成後に貸す、売却するなどという例もあるそうだが、それが容易であることもポイント。

「ハワイでは市場全体の7~8割がアメリカで、2割くらいが日本、それ以外には韓国、オーストラリアなどに住む購入者で占められており、マーケットが確立されています。

この2年ほどの在宅を中心にした生活への反動からか、開放的なリゾート地の人気は上昇傾向にある
この2年ほどの在宅を中心にした生活への反動からか、開放的なリゾート地の人気は上昇傾向にある

特にコロナ禍では日本同様、アメリカでもリモートが可能なら環境の良い地域に居住しようという動きがあり、その行先としてハワイが選ばれています。これまではニューヨークなど東海岸の大都市から郊外への移動では同じく東海岸のフロリダやカンクンなどがリゾート地として選ばれることが多かったのですが、近年はハワイへの動きが顕著です」。

市場があるので、流動性が高く、貸せる、売れるのである。また、それを手助けしてくれる現地に詳しい不動産会社の存在も大きい。

「弊社はご購入後の別荘の管理から賃貸、売却と幅広く手掛けており、状況に応じて貸す、売るなどが可能です。コロナ禍では所有している別荘が利用できないので貸せるなら貸したい、今は一度売却をして新たな物件を購入したいというニーズもあり、テナント募集、売却活動を行いました」。

アジアの、地元ニーズがあまり高くない物件の場合、アメリカ不動産に比べて安価に購入でき、値上がり益も期待はできるものの、流動性は微妙なこともある。その点からもハワイ不動産は安心して購入できるというわけだ。

ハワイの不動産は年2%ほど値上がりする

もうひとつ、ハワイ不動産の大きなメリットは上記とも重なるが、物件の値上がり傾向がずっと続いているという点。以下のグラフはHonolulu Board of REALTORSR, compiled from MLS data.を翻訳したものだが、長期的に値上がり傾向が続いていること、そのうちでも特に2021年は好調だったことがお分かりいただけよう。過去に短期的に値下がりしたことはあったものの、全体の傾向からすると気にするほどではない。

販売開始から売却までの時間が非常に短くなっている
販売開始から売却までの時間が非常に短くなっている
長期的には価格は上昇傾向にある
長期的には価格は上昇傾向にある

価格が上がっているだけでなく、売却が決まるまでの期間が短くなっている点も注目すべきだろう。戸建てなら9日、コンドミニアムで12日は非常に短期で、適正な値付けをする必要はあるが、それができていればすぐに売却できるのである。

「これまでハワイの不動産は売り出して1カ月くらいで売れるのが目安と伝えていましたが、2021年はその常識がだいぶ変わりました」。

長く持っていれば着実に上がることが分かっているためか、ハワイ不動産の購入者は長期保有を考えている人が多い。

「実際の購入者はいわゆる富裕層、会社経営者、大手企業の役員クラスの方々が多く、購入動機は別荘として引退後を豊かに暮らしたい、いずれ賃貸、売却など広い意味で投資のつもりでと様々ですが、共通するのはドル通貨への資産分散という観点です。

円建てではなく、ドル建てで資産を持っておく、長期的にはなだらかに上がっていくのでそれを楽しみながら保有しよう、状況に応じて自分で使ったり、貸したりしようというもので、細かい数字を見て儲けようというよりは安定した、目減りしない、楽しめる資産としてハワイ不動産を見ていらっしゃるようです」。

コロナ禍で増えた金融資産の行先として都心を中心に高額不動産が動いているが、ハワイ不動産も流れとしては共通するものがある。だが、都心不動産の場合には長期保有というより収支重視、価格の変動によっては早期売却と出口を考えている人も多く、投資の意味合いが強い。それに比べるとハワイ不動産は少し違う観点で買われているのである。

2021年の購入額は平均で1億5000万円くらいというが、7000万円から3億5000万円までと幅は広い。現状では8割~9割がキャッシュで購入しているそうだが、日本の金融機関でもハワイ不動産を担保に融資するところが出てきている。半分を自己資金で、残りをローンでということも可能と青木氏。

短期に収益を求めるのも良いが、資金、気分的に余裕があれば長期に楽しみながらの資産形成も面白そうである。