もう都心には手が出せない?2021年上半期、東京23区の中古マンション価格高騰!前年比10%増の区もNew

2021年上半期、2001年以降築の
中古マンションの平均成約坪単価が上昇

都心の中古マンションを物色している投資家は、手頃な物件がみつからずやきもきしているのではないか。

マンションナビを運営するマンションリサーチ株式会社の調査によると、2021年上半期、東京23区の中古マンションの価格が高騰していることが明らかになった。

まず「2021年上半期の平均成約坪単価」を見ると、荒川区が15.5%増、続いて品川区が12.3%増、江東区が10%増、このほか文京区が9.8%増、新宿が8.9%増と上げ幅が目立つ。

東京都23区/2001年以降築平均成約坪単価
東京都23区/2001年以降築平均成約坪単価(出典:マンションリサーチ株式会社)

唯一下げたのが千代田区で1.2%減だが、2020年の前年比8.83%増の反動も考えられる。ちなみに、新宿区は2020年の前年比も6.22%増となっているため、ここ2年の上昇は相当なものだ。

コロナ禍で郊外物件の人気が高まったが
高所得者は都心の物件を物色?

2017年から2021年上半期までの「東京都23区2001年以降築中古マンション平均成約坪単価」のグラフをみても、23区ほぼ全てで右肩上がりであることがうかがえる。

東京都23区2001年以降築中古マンション平均成約坪単価
東京都23区2001年以降築中古マンション平均成約坪単価(出典:マンションリサーチ株式会社)

2020年4月、5月の緊急事態宣言時は不動産取引が減少した。テレワークが普及して、郊外の物件に人気が集まったことも記憶に新しい。

しかしながら後半に入り、値上がりを期待する富裕層や、利便性を重視するパワーカップルらが、都心の物件を求めて動きだしたとされている。

旧耐震マンションの平均成約坪単価も
2021年上期はより大きな値動きに

続いて、旧耐震基準で建てられた「1981年以前築の中古マンションの平均成約坪単価」を見ると、2021年上半期は東京23区中、21区が上昇。しかも、増減率の幅が大きい。

そもそも成約件数が少ないことも考えられるが、千代田区は57.6%増、港区は20.7%増、世田谷区は10.6%増となっている。

1981年以前築の中古マンションの平均成約坪単価
1981年以前築の中古マンションの平均成約坪単価(出典:マンションリサーチ株式会社)
東京都23区/1981年(旧耐震)以降築平均成約坪単価
東京都23区/1981年(旧耐震)以降築平均成約坪単価(出典:マンションリサーチ株式会社)

2019年の数字を見ると、旧耐震基準中古マンションの平均成約坪単価は、東京23区のうち10区の平均成約坪単価が低下していた。このことを踏まえると、コロナ禍での価格変動は、2001年以降築中古マンションと比較しても大きいことがうかがえる。

1982年~2000年築中古マンションも
平均成約坪単価が上昇基調

新耐震基準中古マンション(1982年から2000年築)の動きを見てみよう。東京都23区の「1982年~2000年築中古マンション平均成約坪単価」のグラフによると、こちらも一部をのぞいて右肩上がりである。

1982年~2000年築中古マンション平均成約坪単価
1982年~2000年築中古マンション平均成約坪単価(出典:マンションリサーチ株式会社)
東京都23区/1982年(新耐震)~2000年築平均成約坪単価
東京都23区/1982年(新耐震)~2000年築平均成約坪単価(出典:マンションリサーチ株式会社)

2021年上半期は、千代田区は18.1%増、足立区は16.3%増、渋谷区は12.4%増、品川区は11.4%増、台東区は11.1%増。一方、北区は13.2%減、新宿区は3.5%減、目黒区は1.2%減、杉並区は0.2%減となっている。

中古マンションの供給は減少したが、成約数は増加
価格高騰の要因は受給バランス

2020年4月、5月の緊急事態宣言下で中古マンション取引が大幅に減少した。2020年4月は中古マンション売出し数が前年比37.7%減となっている。

2021年4月は35.4%増となっているが、それでも2019年と比較すると減少している。

東京23区エリア前年同月比中古マンションマーケット売出数(通年)
東京23区エリア前年同月比中古マンションマーケット売出数(通年)(出典:マンションリサーチ株式会社)

続いて需要の変化をみる。公益財団法人東日本不動産流通機構が出しているレインズデータライブラリーの5月度サマリーによると、2021年5月の首都圏における中古マンション成約件数は、機構発足以降 5 月としては過去最高だという。

前年同月がコロナ禍で大きく減少した反動もあってか、前年比プラス 94.9%%大幅増となった。

首都圏中古マンション件数の推移
首都圏中古マンション件数の推移(出典:公共財団法人東日本不動産流通機構

中古マンション供給が減少傾向にある中で、成約数は大幅増ということから、需給バランスが崩れて、文字通りの売手市場になっていることがわかる。

この先、中古マンションの供給が突如増加することは考えにくく、また価格が急激に下がることも考えにくい。

しかしながら、これまでも不動産市場は、大方の予想を裏切ってきた。不動産市場を長く見てきた関係者も、このコロナ禍では先行きを見通すことが難しいという。

しばらくは中古マンションの需給データに関心を払いながら、潮目の変化を見極めたい。

                                                 株式会社寧広