「金利交渉における成功法則とは?」金利引き下げ交渉1【不動産融資攻略シリーズ】New

世界的なインフレの影響もあり、銀行の融資金利についても上昇圧力が強まっている。特に、固定金利期間満了に伴う金利切り替えの場面においては、実際に金利上昇の影響を受けている投資家も出ているであろう。

多額の融資が受けられるのが不動産のメリットでもあるが、当然その融資金利が与える影響は大きい。今回はこの金利交渉の場面に焦点を当てて解説していきたい。

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1.賃貸業にとって大きな割合を占める経費

改めて説明するまでもないが、不動産賃貸業において支払利息の与えるインパクトは大きい。毎月返済をする金額に利息も含まれているため、普段から利息の支出額を実感している人は少ないかもしれない。しかし実際に決算書を見ると、不動産賃貸業では支払利息に多くの費用を支払っていることが分かる。

経費を抑えることを一つの経営努力とするのであれば、大きな割合を占める支払利息を下げる事も有力な手段の一つである。そして、金利を下げるためのカギはやはり銀行との取引・交渉の中に存在する。

2.金利引き下げを行う銀行側の心理とは

金利引き下げに応じる時の銀行側の心理とは、いったいどのようなものなのか?

まず大前提として認識すべきは、「金利引き下げにも審査が必要である」という事である。金利は支店の決済で自由に操作できるわけではなく、審査部の承認を経て初めて金利引き下げは実行されるのである。

つまり銀行側とすると「1円にもならない仕事(むしろ利益を失う仕事)」のために審査部との交渉に臨まなければならないという事になる。銀行員は多忙なサラリーマンであり、出来れば余計は仕事は抱えたくないというのが本音だ。

融資残高を伸ばし、支店の目標を達成するための審査であれば多少の苦労もやむなしと考えるが、金利引き下げという後ろ向きな仕事を遂行するには「それ相応の動機」が必要となる。

3.他行に顧客を奪われるのだけは、何としても阻止する

相応の動機とは何か?一言でいうと「顧客を他行に奪われることによるデメリットを回避すること」である。

銀行側とすればわざわざ自らの利益(金利)を下げる作業を、手間をかけて行うのは避けたいところだ。

しかし「他行に顧客を取られる」という事を極端に嫌うのも銀行の性である。特に同エリアの地方銀行、信用金庫同士の競争は苛烈を極めており、顧客を取られたら他の顧客を圧倒的な低金利で取り返す、などの攻防は常に繰り広げられている。

半沢直樹のドラマで有名な「倍返し」は、銀行組織内部の上下関係においてはほぼお目にかかれないが、銀行間の顧客獲得競争の場ではたびたび発生しているのである。(面白いことに、支店長が審査部に対して「やり返し案件なので通してくれ」というと本当にスピーディーに審査が進むことがある)

まず、金利引き下げ交渉において認識すべきは「銀行間の競争原理」であり、金利引き下げ交渉においてはこの競争心に火をつけてもらうのが不可欠だ。そのために必要なのは「他行からの具体的な借り換え提案」と「具体的な提案金利」の提示である。銀行に危機感が生まれない中で金利引き下げを依頼しても、審査は進まない事がほとんどであろう。

よって、そもそも他行が存在しないエリアや、他行が見向きもしない顧客であれば、金利交渉のチャンスは訪れないとも言える。

4.まとめ

金利交渉のために我々にできる事は、銀行間の競争が発生する仕組みを準備する事である。それにより、金利交渉の舞台が整うのである。

これはブラックな生活環境を打破するために、苦労を厭わず不動産への一歩を踏み出した投資家とよく似ている。「脅威」が迫ってこそ、人は動くのであろう。

                                                 株式会社寧広