「融資」を攻略、絶対知っておきたい基礎知識(続き)

「じゃあ明日にでも、信用金庫に行ってみます! テリーさん、ありがとうございます!」

 


「おいおい。その前に金融機関の審査の仕組みを説明するから、ちょっと待ってよ」

 


「おっと、気が早すぎました」

 


「まったく…。金融機関の審査の仕組みは、専門用語では『与信調査』または『信用調査』というんだ。調査の目的は3つ」


「銀行はまず、君のサラリーマンの収入と支出をチェックする。そして検討している物件のシミュレーションをして、返済が可能か調査する」

 


「なるほど」

 


「次に勤務先、投資家としての資質、誠実性などをさまざまな角度からチェックして、その人の信頼度を調べる

 


「ふむ」

 


「最後に、資産や財務の状況を調査する。例えば、住宅ローンの残高と月々の返済額、車のローンやクレジットカードの利用履歴などだ」

 


「僕、ギャンブルとかの借金は特にないですよ!」

 


「ちなみに、個人の勤め先、年収、返済能力や資産のことをひっくるめて属性というんだ。当然、属性が高い人ほど、審査は通りやすいのは間違いないね」

 


「やっぱり、銀行の審査って、厳しいんですね。ところで、銀行のやる不動産投資シミュレーションってどんな感じなんですか?」

 


「簡単に言えば『ストレステスト』だよ」

 


「ストレステストって、銀行が僕にプレッシャーをかけるということですか?」

 


「君だけにプレッシャーをかけてもだめだ。楽太君と、物件にプレッシャーをかけるんだよ」

 


「物件にもプレッシャーをかける?」

 


「わかりやすく言えば、金利の上昇、家賃の下落、空室率の上昇など、不動産賃貸業を営んでいく上で生じるリスクを厳しくシミュレーションするんだ」


「何かあっても、絶対に回収できる確信が持てなければ、銀行は融資を行わないからね」

 


「確かに、究極に言えば会社が倒産するかもしれないし、クビになるかもしれないし…」

 


「全部空室になってしまうかもしれないし、金利が大幅に上がる可能性もあるからね」

 


「でも、そんなこと言われたら、融資なんて絶対に無理ですよ。全部クリアできるいい物件なんて見つからないです」

 


「その通り。投資用不動産で本当にいいものは、「千三つ(せんみつ)」というように、千個に3つぐらいしかないと思って探した方がいいんだよ」

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金融機関も、数千万円の金額の融資をするのですから、投資家と物件の信用度を慎重に調査するのは当たり前です。そのため、彼らの不動産投資シミュレーションは非常に厳しい条件で行われます。

我々は、金融機関の厳しい審査をパスして初めて融資を受けられるわけですから、提供する情報は正確かつ詳細なものであるべきです。私は、自分の信用情報(年収、確定申告書の要約、住宅ローンやその他借入の状況、現在の資産、家族の状況など)をまとめたプロフィールシートを用意しておくことをお勧めします。

プロフィールシートを用意しておけば、購入したい物件が見つかった場合、すぐに金融機関に事業計画書(プロフィールシート、物件情報、シミュレーションなど)を提出し、審査を依頼することができます。

現在、多くの人が、不動産投資物件を探しています。優良物件が「千三つ(せんみつ)」と言われる中、金融機関の審査は、通常、数週間から1カ月ぐらいかかります。審査を1日でも早くに終わらせることが、スピード勝負を制し、優良物件を獲得するために必要なことは言うまでもありません。

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「ところで、楽太君は1990年ごろの平成バブルのことは知っているかな?」

 


「僕の生まれたころの話ですけど、聞いたことはあります。不動産がすごい値段まで上がった時ですよね」

 


「僕もまだ社会人になったばかりだったけど、不動産の価格だけじゃなくて、金利もすごく高くなったんだ。さっき金利上昇の話をしたけど、何%ぐらいまで行ったか知っているかな?」

 


「え? 全然、想像もつきません」

 


「じゃあ、これを次回までの宿題としよう。今じゃ考えられないような数字だよ」

(第6話に続く)

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