「出口戦略の主なパターンは売却、更地化など」【初心者向け!不動産投資の基礎講座】出口戦略

賃貸物件を運営していく上で重要なのが「出口戦略」を考えることです。簡単にいえば、「現在おこなっているその物件での経営を強制的に、より利益を得る形で終わらせる」ということです。

不動産業者に物件の購入を相談するときも「出口戦略をしっかり考えましょう」と言われるケースは少なくないと思います。

ただし、金融機関が物件購入の資金を融資するときは必ずしも「出口戦略」を想定しているわけではなく、注意が必要です。「出口」に向かうときには、その理由をしっかり説明しなければならないことが多いでしょう。

次に、「出口戦略」の主なパターンを見ていきたいと思います。

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①収益物件として売却する

物件を人に賃貸したまま、収益物件として売ることを指します。

単純化していえば、貸している期間に得た家賃収入の総額と売却価格の合計が、購入した時の価格を上回っていれば、その物件での「出口戦略」は成功といえるでしょう。物件そのものの価値は多くの場合で下落を免れませんから、家賃収入を勘案して考えなければなりません。

売却の場合

たとえば、3000万円で買った物件を家賃6万円で10年間貸し、2500万円で売ったケースを考えてみましょう。

10年間で得た家賃収入の総額は6万円×12カ月×10年間=720万円です。この場合の売却による利益(黒字)は、次のように計算します。

売却価格(2500万円)+家賃収入総額(720万円)ー購入価格(3000万円)=220万円

もちろん、貸している間にどれくらいの費用がかかったかなども考える必要はありますが、基本的には出口戦略がうまくいったケースに数えることができます。

②更地にして売却する

更地の場合

物件を取り壊して更地(=建物などが存在しない土地)にして売却する方法です。考えられるケースとしては、建物が違法な状態で建てられているため、建物そのままでは買い手がつかない、といった場合に取られる手段です。

更地にして売却するケースでは、単に物件をそのまま収益物件として売る場合と違い、建物の解体費がかかってくることを考慮にいれなければなりません。

解体費用は業者によってケースバイケースですが、木造家屋の場合で1坪(約3.3平方メートル)3~5万円とされています。RC造などはもっと高くなります。

注意すべきは、入居者に退去を促さなければならないことです。

この点は、今年1月1日配信の「『普通借家契約と定期借家契約』【初心者向け!不動産投資の基礎講座】管理・運営する2」で見た通り、借家人よりも家主の立場を保護した定期借家契約を結んでおくことがベターでしょう。

定期借家契約では、契約期間が終われば、契約は更新されることなく、終了が確定します。入居者は出ていかなければならないのが原則です。

出口戦略として更地での売却を考えているなら、入居者とは定期借家契約を結んでおき、契約期間終了のタイミングで退去してもらって解体に着手することが、スムーズに事を進めるコツといえるでしょう。

③収益物件でなく、自分で住むための物件として売る

①はあくまで、賃貸用の収益物件として、新たなオーナーを見つけて売却するというイメージでした。

そうではなく、買い手が自分でその物件に住むことを想定して売却するケースがあります。具体的には戸建て住宅や、1室だけを所有する区分所有のマンションにあてはまるケースでしょう。その住宅を借りて住んでいる人にそのまま買い取ってもらうケースなどが考えらます。

④売らずに新たに活用する

建物を取り壊して新たに収益物件を建てて貸し出し、収益を上げるケースが考えられます。また、更地にし駐車場にして貸し出したり、更地のまま人に貸し出して地代(賃借料)を得たりする方法が考えられます。

駐車場
更地にし、駐車にして活用する方法もある

この場合、もともとの物件の購入費用、得られた家賃収入、解体費、新たな物件の建築費、新たな家賃収入などを総合的に考え、利益が上がるかどうかを考えなければなりません。

                                                株式会社 寧広