「より高く売却するには」【初心者向け!不動産投資の基礎講座】

不動産投資における「出口戦略」で、最もオーソドックスな方法は「物件を収益物件として売却する」でした。今回は、物件をより高い価格で売るにはどうすれば良いかをみていきたいと思います。

大前提として考えるべきは、収益物件としての魅力を高めることです。収益が上がりそうだと買主が考えれば、その物件はより高く売れる可能性があります。

逆に、収益が上がりそうにないと買主が考えれば高い価格では売れないでしょうし、まったく買い手がつかない場合もありえます。

主なポイントとして考えられるのが、以下のようなものです。売却ポイント

①空室を減らし、できれば満室にする

物件の空室を減らし、できれば満室経営にしておくことが物件の魅力を高めるポイントの一つです。賃貸経営の収入は入居者からもらう家賃です。空室が多ければ、その分、収入が減りますから、収益性の低い物件だとみなされ、買い手が見つかりにくくなります。金融機関の融資がつくのも難しくなるでしょう。

不動産投資家が何をみて収益性を判断するかというと、重要な要素の一つが「利回り」です。

2020年10月21日配信の「『表面利回り、実質利回りって?』【初心者向け!不動産投資の基礎講座】物件を探す編⑦」で見た通り、利回りには「表面利回り」や「実質利回り」がありました。

このうち、最も単純に物件の収益性をはかれる「表面利回り」は、「年間家賃収入÷物件価格」で算出するのでした。つまり、家賃収入が上がるほど表面利回りは上がり、不動産投資家は「収益力がある」と判断するのです。

もちろん物件価格の上昇は利回りを押し下げる要因になるので、バランスをよく考えなければなりません。

しかし、たとえば8室あるアパートで1部屋の家賃が月3万円とし、4室が埋まり、残り4室が空室であるケースを考えてみましょう。このアパートが1500万円で売れたとすると、買い手にとっての現況での実質の表面利回りは、「3万円 × 4室 × 12カ月 ÷ 1500万円=9.6%」です。

かりに8室満室にし、収益性が高いと判断されてアパートが500万円上乗せの2000万円で売れた場合、表面利回りも「3万円×8室×12カ月÷2000万円=14.4%」まで高まります。

利回り計算

空室をなくし、物件の魅力を高めれば、物件価格と利回りを同時に上げることが十分可能になるのです。

②家賃を高めに維持しておく

利回りを高くし、収益性を上げる観点からは、家賃を高めに維持しておくことも大切です。

気を付けなければならないのは、満室にするため家賃を下げすぎることです。せっかく満室になっても家賃が下がりすぎれば、結局のところ利回りが下がり、収益物件としての価値が下がることになりかねません。

③メンテナンスをしっかりしておく

物件の外壁が汚れていたり共用部分が散らかっていたりすると、印象が悪く、買い手がつかなかったり価格を値切られたりすることになるでしょう。日ごろから物件のメンテナンスはしっかりしておくべきです。

実際、都市部へ直通の鉄道駅近くにあるにもかかわらず、なかなか借り手がつかない区分マンションを見に行ったことがあります。

共用のごみ置き場にごみが山積みになり、とうてい住む気の起きない環境となっていました。「これではなかなか買い手がつかないだろう」と納得することができました。

④リフォームする

③ともかかわってきますが、場合によってはリフォームしてから売りに出すのも選択肢になります。この場合、リフォームの費用がかかる分、売却益が圧縮されることを頭に入れて、総合的に検討しなければなりません。

⑤不動産会社を確実に選ぶ

売却にあたっては、売る側の希望価格に近い価格で、スピーディーに売ってくれる実力を持った不動産会社に頼むことが必要です。会社そのものの実力も重要ですし、担当する営業マンの能力や意欲も大切です。

物件の管理をお願いしている会社が不動産売買も扱っているなら、相談してみてもよいでしょう。

不動産売買の仲介を専門にしている会社に頼む手もあります。可能なら、複数の会社から見積もりを取るといいでしょう。その中で、最も高い金額を出してきた会社に売却を頼むのです。

もっとも、売却を頼んだにもかかわらず、なかなか売却先が見つからない場合があります。この場合は、別の会社にも売却を頼んで、複数の会社に競わせることが、良い結果につながることもあります。

⑥タイミングを見極める

前回説明した通り、経済的な要因などで不動産価格全体が上がっているタイミングがあります。景気が好転したり近所で大規模開発があったりするときです。こうしたタイミングを逃さずとらえられれば、物件を高めの価格で売ることができるチャンスだといえます。

不動産価格全体が上昇しているときは金融機関も融資姿勢が積極的になっているので、融資を組んで物件を買える人が増えます。その分、売り手の希望価格で物件を購入できる人が増えることにもなるのです。

                                                株式会社 寧広